『財界にっぽん』2003年4月号



宗教者による世界平和会議の生む行動力が世界を破滅から救う(下)

原潜クルスクの沈没とWTCビル崩壊を結ぶ悪縁を絶つ

藤原肇VS池口恵観



原子力潜水艦の沈没で飛び交った怪情報

藤原 そんな丁寧に感謝されるなんて勿体ない。私は当然のことをいっただけであり、むしろ、謎解きをしないでいられない妙な癖を持ち、無闇に好奇心の目を注ぐ私の方が変かもしれません。それにしても、クルスクの事故は多くの謎を秘めていて、なぜ沈没したかについて色んなことが言われ、叶界では興味深い情報が取り沙汰されました。
池ロ 具体的にどんな内容の情報ですか。
藤原 先ず言われたのは国際政治のレベルであり、冷戦後の米テロ関係に関連したプーチン絡みの話で、これは公開情報だからご存知でしょうが、ロシアの大統領の権力支配に関係するものです。彼はKGBのトップから大統領になった男で、レニングラード大学の法学部を卒業したプーチンは、そのまま秘密警察のKGBに入って訓練を受け、十数年にわたって情報活動の出世街道を歩み、幹部として着実に権力中枢に接近した点です。その間に五年間ほど東独で対外諜報の指揮をして、ベルリンの壁が崩壊した時にKGB本部に戻り、九一年のクーデタ騒ぎの時に転身をしました。そして、首席助役としてサンクト・ペテルスブルグの市政を切り回し、大統領府の幹部や連邦保安庁(KGBの後身)長官を経て、エリツィン大統領時代に首相になったわけです。
池ロ KGBはCIAよりも恐ろしいと言うから、それだけの経歴の中で生き残ったことは、プーチンが鍛えられた男なわけですね。
藤原 二世政治家のブッシュ大統領に較べたら、大変な権力闘争を生き延びているプーチンは、恐らく一万倍くらいの実力があるはずです。しかも、このプーチンが大統領になってから犯した三大失策は、カスピ海周辺の石油資源の開発に関係して、米国の石油資本の活動を野放ししたことと並び、ナト(北大西洋条約機構)の拡大路線を放置したと共に、クルスク沈没の時の不手際だと言われています。
池ロ あの沈没事件はそんなに重要視されたのですか。
藤原 そうです。事故発生の時は保養地で夏休み中だったが、彼は現場でもモスクワでも陣頭指揮にあたらずに、そのまま休暇を取り続けていたのです。もちろん、海軍当局と緊密な連絡を取り合って指揮しただろうが、潜水艦の中に生存者がいたというのに、救助活動に積極的に取組んだわけでもないし、近隣諸国に何らかの連絡もしていなかったのです。
池ロ 生存者がいたのなら万難を排して救い出し、犠牲者を一人でも少なくする努力をすべきなのに、それをやらなかったとしたら冷血漢ですね。
藤原 プーチンは怪憎ラスプーチンの血筋と言われ、冷徹な頭脳の持ち主であるだけでなく、一日一八時間働くタフな体力を持つ政治家です。だから、彼がクルスクの沈没について実に冷淡だった背景には、大きな秘密が隠されていると噂されました。
池ロ どんな秘密か興味深いところですね。
藤原 当時、事件に関心を持つ欧米の友人達に連絡を取り、情報交換したら色いろ面白い意見が舞い込んだが、成る程と思ったものや眉唾情報もありました。中にはアメリカの潜水艦が体当たりしたという情報とか、極秘の電磁波兵器を使って沈めたという話や、魚雷の操作ミスだとか色いろ賑やかでした。その中の最大の傑作だったと思った話は、クルスクの中に中国の軍人と技術者が乗り込み、新鋭潜水艦の買い取り交渉をしていたので、米国と外交関係の紛糾を配慮したプーチンが、引き揚げ作業を阻止したという説です。


地球物理学の成果と最先端の宇宙技術複合体

池ロ そんなことで助かる人が犠牲になったら、政治的な計算で切り捨てられたということになり、何ともお気の毒だというしかありません。
藤原 現実の政治は全く冷酷な結果を生みます。話題が少し私の専門領域に関係して来ますが、地球科学の分野で興味深い事実があって、クルスクが沈んだ直後に欧州各地の観測所で爆発による二度の地震発生を記録しています。最初の地震は小さいが二度目の地震はかなりのもので、リヒター・スケールで震度四・一の規模のものであり、これはTNT火薬の四トンから七トンの爆発に相当し、波長分析から海面下一〇〇mでの爆発ということや、震央の正確な位置まで明らかになっています。
池ロ そこまで正確にわかるとは凄い精度ですね。
藤原 コンピュータと人工衛星技術が発達して、それに地球物理学の成果が結びついたお陰で、そういった分野は物凄い発展を遂げています。それを活用しているのが石油開発と軍事作戦であり、過去二〇年間の大陸棚での石油開発を始め、最近注目を集めているカスピ海地域での石油生産は、そうした科学と技術の成果に他なりません。
池ロ そうなるとカルムイク共和国の将来に関しては、石油開発の最新技術と結びつけることで、非常に有望だという話になりそうですね。
藤原 そう期待したいところです。だが、この最先端の技術は悪用すれば恐ろしいことになり、湾岸戦争やアフガン戦争で米軍が圧勝したのは、軍事衛星とコンピュータ技術のせいでした。トマホーク・ミサイルは衛星に誘導されており、湾岸戦争はハイテク戦争と呼ばれましたが、米国が独占しているGPS(汎地測位システム)技術の発達で、アフガン戦争ではJDAM(直接攻撃誘導略体)が多量に使われて、爆撃作戦のシステムに根本的な変化がありました。だから、携帯電話や力ーナビも兵器技術に活用されて、チェチェン戦争の時にドタエフ大統領は衛星電話で喋って標的になり、ロシア空軍のミサイル攻撃で爆死しているが、これはKGBとCIAの連携プレーだと言われました。
池ロ そうでしたか。全く恐ろしい世の中になったものです。
藤原 だから、このまま戦争が野放し状態になるならば、人類は滅亡の運命から逃れられなくなるので、戦争撲滅の平和会議の実現をぜひお願いします。
池ロ 本当にこんな恐ろしい状況を放置したら戦争技術の猛威にわれわれは翻弄されてしまい、人類には滅亡する悲惨な運命しかなくなるので、私も全力を投入して宗教人会議の実現のために頑張ります。


大事件の背後に霞むスターワー計画の鬼子[ハープ]の影

藤原 しかも、ニューヨークの同時多発テロと呼ばれた911事件は、世界同時中継のテレビの映像の威力によって、全世界の人に強烈なショックを与えたが、あの事件の真相は未だ解明されたわけではないし、逆に疑惑は日毎に増えて行くばかりです。説明されていない疑問が余りに多いのに、アメリカ政府の発表が一人歩きしていて、全米が一種のヒステリー状態を呈しているが、ジャーナリズムまで冷静な判断力を失っているのは、非常に嘆かわしいことだと思わざるを得ません。
池ロ 私はあの事件の立後にニューヨークに飛びまして、荒廃して煙りの立つ被災地で慰霊の供養を行い、気の毒な犠牲者の冥福を祈らせて頂きました。
藤原 そうでしたね。それにしても宗教家としての池口さんは、万難を拝して素晴らしい行動力を発揮しておられて、その熱意に思わず頭が下がってしまいます。私は科学者としての立場で現場と状況をよく観察して、何が真相かを解明するのに挑んでいますが、あの911事件には納得できない疑問が多すぎます。
池ロ 藤原さんが事件の直後に雑誌に発表された、「世界から見た同時多発テロ事件」という記事を読み、私なりにロシアに行く飛行機の中で考えたが、納得できない疑問を同じようにたくさん感じました。
藤原 事件が起きた翌日には情報が洪水状態で、様々なタイプの撹乱情報を見かけましたが、ヨーロッパからのインターネットの上には、かなり程度の高い分析を見かけたけれども、米国や日本のメデイアは大騒ぎしただけです。
池ロ 藤原さんが書いた記事の中で触れていたが、NHKのワシントン支局長がテレビに登場して、分析抜きで騒ぎ立てただけだからたまりません。戦争だとなると熱狂するのが世の習いでも、ジャーナリストがあんな調子で上滑りすれば、大衆が判断力を失ってしまうのは当然です。
藤原 全くです。それに世界貿易センターが崩壊した時も、クルスクと同じように地震が観測されたために、究極の宇宙兵器である[HAARP]が注目され、一部の人の間で高周波活動オーロラ研究プログラムが取り沙汰されて、これが悪用されたのではないかと論じられました。これは[スターワー]計画の中で生まれた秘密兵器で、地震兵器とか気象兵器とも呼ばれているし、脳活動を司るシューマン共振の変調を通じて、人間の精神活動を狂わせる恐ろしい兵器です。ハープは交流発電を生んだニコラ・テスラが発見した、テスラ波(スカラー波とも呼ぶ)を兵器に応用したものであり、テスラは地球をエネルギーの場として使ったが、ハープ計画は電離層を利用したもので、アラスカに米軍は極秘の実験装置を既に完成していて、建設反対の激しい運動は潰されています。
池ロ そんな悪魔の兵器まで人間は作ったのですか。


想像を絶する超電導と超流動の世界

藤原 残念ながらそのようです。もし、こんな恐ろしい技術を人間が悪用したら、電離層を高周波でイオンヒーター化することで、核兵器より更に恐ろしい最終兵器によって、全生命はおろか地球も破壊されてしまいます。実は電力を無線で送電する装置の研究を通じて、石油会社のアルコの子会社が特許を持っていたが、この特許が兵器会社のレイセオンに買い取られ、新鋭兵器の開発に使われたというのです。
池ロ そんな恐ろしいことに手を染めてしまえば、どんなに悲惨なことが起きるか予想がつかないし、人間にはそんな物を作る資格はありません。
藤原 でも、そういったことに技術が開発し得ることは、非線形理論が既に見通していることでもあり、政治が新技術を悪用するかどうかの問題だから、人々の政治意識と良識を高めることによって、殺裁兵器と戦争を廃絶するしか手がないのです。
池ロ そうなると宗教者の責任はいよいよ重要になり、一刻も早く宗教者の世界平和会議の開催を実現して、人類を破滅の危機から救わなければなりません。
藤原 その通りです。二一世紀の科学の先端は非線形理論にいたり、それを技術的にマスターするのは時間の問題だけであり、のんびりしている余裕はもはやないのです。実はペパーダイン大学の総長顧問をした時に、世界中の大学を訪れて総長や学部長に会い、人材の育成について議論して歩きました。その頃の私は相対性理論を部分化を考えていて、異端理論に挑む変人学者と会っている内に、非線形理論の核心がカービリニアだと分かり、アインシュタインの理論を部分化する形で、ホロコスミックスのモデル化をしました。
池ロ あの三角形で無と空を繋いだ図形ですね。
藤原 そうです。無は無いものがない満ちた世界だが、その延長上に色即是空が広がって再び無に繋がり、トーラスとして完結するモデルになります。それを英語の論文にまとめて武者修行に出掛けたら、関心を示してくれた人との議論を通じて、超電導だけでなく超流動の世界が見えて来ました。超流動は光が満ち溢れたコスモスだから、電気抵抗も摩擦抵抗も流動抵抗も何も無いし、裏返しの黒体輻射理論の技術化によって、白穴効果で飛行機が高速でビルに飛び込んで停止したり、潜水艦が水中で脳死状態を起こすのです。そんなことが有り得るとは思いたくないが、核兵器や生物兵器を作ったのも人間だから、極楽を目指して地獄に至るような事態だけは、絶対に避けなければいけないと思います。
池ロ 専門用語が多いために良く分からないが、それはすべてを吸い込む暗黒の地獄の隣に、大日如来が放つ光や景色がある構図であり、間違った側を選んでは絶対にいけません。「生まれ生まれ生まれ生まれて、生の始めに暗く、死に死に死に死んで、死の終わりに冥し」と書いて、弘法人師は人間の心の限界を指し示しました。だが、「心暗き時は即ち遭う所ことごとく禍なり。眼明らかなれば則ち途に触れて皆宝なり」とも言って、大師様は悟って明らかな目を開いて眺めれば、全てが光輝いて見えると教えています。今の世の中は欲で濁った目で獲物を捜し求めて、欲しいものを奪い取ろうと虎視眈々であり、簡単に戦争を始める汚れた心の権力者に率いられ、人々は自らの足で不幸の道を歩んでいます。
 この悪循環を断ち切って平和で明るい世の中を作り、地上における極楽浄上の世界を築くためには、宗教家が全力を上げて行動することが必要で、その第一歩として国際平和会議を開催して、戦争絶滅を人類の目標にして行動することです。
 ロシアの東洋語学研究所は私を全面支持してくれ、全力を傾けて協力すると言ってくれましたので、私は命を賭けて平和会議の実現に努力します。それが大師様の教えと大日如来の導きならば、幾ら死に死に死んでも命は惜しくないし、生きて皆が行き着く所が極楽のはずだから、大日如来の光の世界に至ると確信します。


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