『財界にっぽん』 2005.11月号



ラセン(螺旋)に渦巻いて煌めくダイヤモンドの革命的な新カット

首藤尚丈(ディアナサンか部式会社社長・数学者・建築家)
藤原肇(フリーランス・ジャーナリスト・地質学者)






一〇〇年ぶりの革命的な新しいカットの発明

藤原 ダイヤモンドはこれまでユダヤ人が独占して、世界のダイヤモンドの市場と価格を支配してきたが、建築家の首藤さんによる新しいカットの発明で、この独占体制が崩れるのは快挙であり、今後の発展を大いに期待したいと思います。そこで先ず聞いておきたいことは、どういうきっかけでダイヤと首藤さんが結びつきを持ち、特許が関係する新発明をしたかについてであり、それと今後のダイヤ市場の見通しについて、ビジネスサイドの展望と問題点を知りたいのですが…。

首藤 ダイヤ市場について先ず断って置きたいのは、藤原さんはユダヤ人の独占だと言われたが、これはデ・ビアスという原石を支配するシンジケートがあり、この組織がダイヤの8割近くを支配しており、国際価格を決定しているという事実がある点です。また、ユダヤ系のロスチャイルドと緊密であるが、それはユダヤ人による支配ではないのです。しかも、世界のダイヤ研磨のセンターとしては、アントワープ、ニューヨーク、テレアビブと言う具合に、ユダヤ人が多く住む場所と結びついているが、それはカッティング(研磨加工)の優れた職人として、多くのユダヤ人が仕事をしているからで、従来はユダヤ系以外の者が足を踏み入れるのが困難でした。

藤原 なぜユダヤ人以外には困難だったのですか。

首藤 それは1919年にトルコフスキーが発明した58面体のブリリアント・カットが長らく君臨しており、閉鎖的な研磨職人の業界が技術を押さえ、原石はデ・ビアスの販売方法が功名だったので、対抗する者が登場する余地がなかった。だが、私が特許を取った新しいカットは、数学理論に基づく革命的なものだから、輝きの素晴らしさや色の美しさにおいて、従来の58面体カットとは比較にならず、今後のダイヤ市場の王者になりますよ。

藤原 結構ですね。トルコフスキーという名前から推察すると、ポーランド系かロシア系だという感じだが、そうなるとアシュケナジ系のユダヤ人かも知らず、それがダイヤのユダヤ人支配という固定観念を作ったのかも知れないな…。

首藤 そうかも知れません。トルコフスキーはスイス系の数学者であり、ブリリアント・カットを数学的に作ったのがポイントで、これが最も美しく反射すると言う評価を受けたし、数学と言うマジックワードが威力を発揮して、誰もそれにチャレンジしなかったのです。私は建築家として長年仕事をして来たが、同時に日本数学学会のメンバーだから、数学的に作られた以上は数学を使って挑戦すれば突破口が開けるのではないかと予測しブリリアント・カット以上のものを作ろうと思ったのです。

藤原 それは面白い。私は地質学が専門で鉱物学の勉強もしたが、要するに、鉱物の結晶は幾何学的に成り立っており、その点では建築学も幾何学を基本にするから、あなたが数学的にチャレンジした気持ちがよく分かる。
 それでは数学的にどうやって挑戦したかについて、数学を使わないで分かり易く説明してくれますか。


逆転の発想と幾何学的直観が生んだ新発明

首藤 きっかけは1997年のクリスマスの贈り物でした。妻が「こんな本を見つけた」と言ってプレゼントしてくれたのが、トルコフスキーが58面体のブリリアント・カットをこうやって、数学的につくったという数式が入った本でした。

藤原 そんな数式入りの本を見つけ出すなんて、奥さんの眼力は凄いですね。

首藤 まあ、数学キチガイの私なら喜ぶだろうと考えて、「あなたが面白いと感じそうだから」とプレゼントしてくれたが、それを読んだ結果ディアナサン・カットの発明が生まれました。というのは、ブリリアント・カットを作るために使った理論を知り、58面体が全反射する構造であるならば、ブルーやグリーンの光を出すダイヤモンドは何面体になるかと計算した。その結果として86面体という答が見つかったのであり、試しにカットしてみたらグリーンやブルーに輝き、光の輝度では従来のブリリアント・カットの二倍以上でした(第1図)。

藤原 それは面白い。迷路を逆の方向から行くと正解が分かるが、それと同じで「逆転の発想」を使ったので、物凄い結果が見つかったわけですよ。その段階で光の反射についてあなたの予想は、どんな形で計算をしていたのですか。

首藤 直接的にはこの86面体カットならば、ブルーの色が出るという感じがしたが、光が反射ではなく渦巻状に戻るとは、全く予想もしなかったので驚きましたし、光の質が58面体のカットと全く違っていた。しかも、最初にダイヤを扱った段階で私は誤解していて、普通のブリリアント・カットの石はブルーに光ると思っていたのに、実際にダイヤを見たら透明だったので、トルコフスキーの全反射理論の数式で最後が間違いで、全反射でないことに気が付いたのです。私の計算だと92%の反射で一割も違い、この一割の誤差を利用することで、ブルーの光として戻す断面を出すために、パソコンで二週間ほど計算しました。そうやって作った構造断面図を描いて、黒い紙に白抜きにして壁に張った上で、友人たちに「どちらが美しいか」と聞いた。多分6対4位で私の勝ちかと思ったら、何と10対0という結果が出たのに勇気付けられ、試作まで試行錯誤で二年かかったが、最後に素晴らしい輝きを手に入れました。

藤原  それで、大発見が実現したということですね。

首藤  そんな次第です。だが、それで総べて目出度しとは行かなくて、教授が30人ほどで博士課程の学生が50人くらい参加し、東北大学の大学院数学科で私が講演した時だが、一時間くらいしたら会場が討論会になった。きっかけはある教授が「スパイラルに光が戻ってきた時に、緑や青になるのはどう計算するか」と質問して、その教授は「そんな式はない」と主張したからであり、私はそれを聞いて「あれっ!」と思ったのです。というのは、私はその計算を暗算でやっていたし、決め手はプロポーション(比例式)にありまして、この比率ならブルーでこちらの比率ならグリーンだと、頭の中で直感的に料理していたのです。

藤原 それは面白い。直観は訓練されたイマジネーションであり、ある問題に徹底して取り組むと「カン」が育って閃くし、幾何学が得意な人はこのカンで補助線が引ける。だが、大部分の人はそこまで徹底的な努力をせず、ある人が直観力で凄い判断や発明をすると信用しないで、「ヤマカン」とか「インチキ」だと怪しからんことを言うのです。

首藤 そんな状況ですね。私はパソコンをやる女性秘書がいるので、彼女に計算方法を教えて暗算でやっているのに、数学家の教授はそう発想せずに暗算を評価しない上に、「実験して方程式を導くのか」と質問した。そこで、「実験でやるのは物理学であり、それは数学ではない」と言っても、「方程式を作らない限りは、法則性は出て来ない」と主張して譲らないのです。

藤原 政治家の多くが選挙民以下の連中であるように、大学教授なんてそんなレベルの人が多いし、今の日本は本当の実力や権威が死滅して、地位や肩書きが人間の実力とは無関係なんです。

首藤 でも、ちょっと直観力を働かせれば明白になる事柄でも、分かりきった比率の問題に無知なために、それを駄目だと頭から決めてかかるのです。比例は宇宙を反映した関係を現しており、太陽や月はもとより地球の自然や人間も、共通の法則性に支配されていて、私の会社名も太陽と月の組み合わせで、社名は「ディアナサン」と言います。


ダ・ヴィンチが伝えた秘密と新世紀のダイヤモンド・カット

藤原 それはマヤのカレンダーの計算も同じであり、360日の太陽周期と260日の月周期の組み合わせで、ツルキンという銀河定数を導いて、宇宙の法則性を比率で表現している。そして、オクターブの幾何学のフラクタル関係が、1から7まで序数による一周を使い、次元が一段づつ上がって行くことになるが、これがスパイラルで次元展開する幾何学です。しかも、円を4で割れぱ90度になり5で割れば72度だし、6で割れば60度で8で割れば45度になるのは暗算です。また、60度を5で割って9を掛ければ108になり、円を5で割った72の倍は144で、これはフィボナッチ数列のキイナンバーだから、頭の体操をする時の出発点になる。宇宙を体現する自然を比率を使って観察すれば、総てが合理的で美しく出来ており、自然は連続した変化として比率(ラチオ)が読み取れます。

首藤 私の場合はレオナルド・ダヴィンチの「ヴィトルヴィス図」(第2図)があり、有名なオイラーの多面体定理を展開して、私が首藤だからシュトーレンという名の幾何学を作った。詳しいことは「ダヴィンチの苗金のピラミッド」(森の本)に図入りで説明したが、その考えがこのダイヤモンドの出発点で、それと『モナリザを解く』(三五館)の中に素晴らしい図表があります。

藤原 シュトーレンはフラーレンの高度なものであり、フラーレンを発明したバックミンスター・フラーは20世紀最大の建築家で発明家だし、ナノテクノロジーの元祖みたいな偉大な人物だから、首藤さんは21世紀のフラーに相当する。

首藤 それほどのことはありませんが、このディアナサン・カットによるダイヤモンドの登場は、きっと皆さんに喜んでもらえると思います。数学にこだわると理屈っぽくなって嫌われるので、これ以上は論じないことにするが、この発明の決め手となったのがゼロであり、ゼロはマイナスの入り口だということから、最初のカットである86面体が生まれたのです(第3図)。

藤原 首藤さんが試作したときに使ったダイヤモンドは、一カラットくらいの大きさのものを削ったのですか。

首藤 試作品は0.5カラットのダイヤを使ったが、それが出来たら地元の新聞が一面に記事として取り上げまして、それを読んだ人が30人くらい買いたいと希望したので、10個ほど作って販売したわけです。しかも、口コミによって素晴らしい輝きだと伝わったお蔭で、注文が続くのでビジネスになりそうだし、二年くらいは建築家の仕事をやりながら、道楽としてダイヤモンドの加工をしていて、年商3000万円くらいの売り上げだった。3年目に銀座にショールームを開いたら(第4図)、売り上げが1億7000万円くらいに増えたし、現在は第5期目で5億円から7億円くらいの水準です。

藤原 そうするとビジネスとしては軌道に乗り、これから数年の展開が楽しみだということで、あなたは建築家から宝石事業に転じた。私も石油会社の経営者からジャーナリストに転じ、二つの異なった人生を楽しんでいるが、あなたも建築家と言うプロフェッショナルから、新発明を武器に既成の市場に挑戦するというのは、素晴らしいと思うのでウェルカムです。

首藤 有難うございます。また、幸運なことに仙台市の産業振興事業団が注目して、地場産業として育てたいと非常に熱心だし、地元の事業家たちが資本参加してくれている。最近の話ですが、東北インキュベーション・ファンドが一億円投資して出資者に加わり、事業の発展に協力して下さったので、今年の秋にはビバリーヒルズにショールームを開き、世界に向かって事業展開を始めます。そして、来年はハワイとニューヨークに店を出して、更にはパリやフランクフルトの店だけではなく、中東のドバイにも進出する予定です。


質を尊ぶ新しい価値観の創造

藤原 ところで、首藤さんが特許をとった86面体カットだが、ブルーやグリーンに輝くダイヤとして完成させるには、カットにおける工夫としての秘密に、何か特別なものがあると思うのです。先ほどディアナサン社の86面体カットでは反射ではなくて螺旋光だと言われたが、その辺のところを特許に接触しない範囲で、異なる光の作り方を説明してくれますか。

首藤 光には赤、燈、黄、緑、青、藍、紫が含まれ、58面体では光スペクトルが全反射しているが、ディアナサン・カットでは光が螺旋回転して戻り、補色を利用して黄や榿を抜くようにカットすれば、グリーンやブルーが卓越するようになり、それは光スペクトルの反射図の通りです(第5図)。

藤原 そうやって好きな色の光を持つダイヤを作るが、そうなると原石が持つ石の色との関係は、どういうことになるわけですか。

首藤 これまでのダイヤモンドの価値の評価基準は、重要な順からカット、カラー、クラリティー、カラットの四つのCであり、カットは研磨した時の均衡と仕上げだし、カラーは原石が持つ色に基づいて、無色透明から黄色までのグレードがある。また、カラットは 大きさではなく目方であり、クラリティは透明の度合いと内包物で、欠陥のないIFとかVVSIという順位が付くし、原石の持つ石の色はD、E、F、G…というように、黄色の度合いに従って格付けがある。
 しかし、ダイヤモンドを目方や原石の色で評価すれば、伝統的な物量主義の考え方になるが、ダイヤが持つ光の美しさや波動に基づいて、別の価値観で捉えれば大きな差があり、そこに革命的な価値の転換が生まれます。

藤原 要するに、数量的に捉えたニュートン力学の発想から、数量化が出来ない量子力学への転換に呼応した、新しい価値観が誕生したと考えれば、それがディアナサンのダイヤモンドということになる。これまでアイディアル・カットと名づけられた58面体は、首藤さんが発明した86面体によって、ダイヤモンドの世界が量から質へ切り替わり、新しい世界基準が生まれたことを意味して、革命が成立したということになるのですね。

首藤 そこまで言い切れるかどうかは疑問だが、少なくとも新しい突破口が開いたので、新しい価値が認められるのは間違いない。ただ、宝飾の世界は伝統的な価値観が強いし、宝石業界はデ・ビアスやユダヤ人が力を持ち、これまでの価値の体系を守ろうと結束するので、そう簡単に行くとは予想していません。しかし、逆に宝石は個人の好みや趣味に密着しており、大衆を相手にした「モノ」の世界ではないから、芸術作品としての活路が考えられます。

藤原 要するに、最高のものを愛す収集家(collector)とか愛好家(connoisseur)が、ディアナサンが提供するダイヤモンドを購入して、波動としての光が持つ美しさを楽しみ、単なる金持ちのシンボルや財産ではなく、煙く光の素晴らしさを満喫することになるのですね。

首藤 そういう趣味の良い人が満足することで、私も苦労して計算したことが報いられるのだし現に86面体カットを更に発展させたら114面体カットで黄色に輝くダイヤの誕生になりました(第6図)。これは気品ある黄金紫の繊細な周辺に囲まれ、16弁の菊花紋が中央に浮かび上がるので、「ディアナサン114−菊」という名をつけたが、黄金に輝くこのダイヤモンドの燦然とした光輝は、陶然とするだけでなく凄いパワーを放つのです(第7図)。


特異点に近い114面体カットの光輝

藤原 16弁の菊花紋はメソポタミアのイシュタル門の装飾で、私はベルリンの「ベルガモン博物館」で見たが、これは太陽の光輝を表したもので、王者を示すライオンを照らして輝いています(第8図)。日本人はこの菊花紋を見て皇室の紋章だと思うが、地球の全生命は太陽光の恩恵を受け、太陽信仰を持つ民族は光輝の8方角や16方角に、生命力をシンボライズしているのであり、正方形の二重重ねや四重重ねなんです。

首藤 2xNの展開ですね。太陽が昇る東と沈む西が先ずあって、それに南北が加わって十字形になりますし、この十字が正方形を作るのが大地であり、天が円を作るから定規とコンバスを使い、そうしてレオナルド・ダヴィンチは「ヴィトルヴィス図」を作った。また、この図を出発点にしてわが社が誕生したし、ピラミッドの高さを2とした時に底面の一辺パイになり、ピラミッドの設計図を作ると1.618が現れます。

藤原  その1.618は宇宙原理のフィボナッチ数であり86面体のカットに続いて114面体カットを作ったら、その次にフィボナッチ数で重要な144面体カットを作れば、きっと素晴らしい現象が起きるかも知れないし、是非それに挑戦して欲しいと思います。

首藤 私も数学的に興味深いと思って計算したが、どうしても144面体カットは不可能だと分かり、これは神聖なるものと関係すると感じます。

藤原 144面体カットならどうなるかと思ったが、数学的に不可能だと聞いて落胆してしまったですね。
 でも、神聖数だということでゼロと同じなら、無限を含んで現象的には無に見える特異点(シンギュラー・ポイント)だというのなら話が分かる。そうなると、特異点の向こうにはマイナスの世界が広がるが、144の手前で最大のカットが114面体だとすれば、それがこちらの世界での極大になりますね。

首藤 だから、114面体のカットには興味深い光輝が現れ、中央部に夜明けの太陽を思わせる「アマテラス」(第9図)や、燦然と輝くメキシコの太陽に似た「アステカ」(第10図)など、これまで地上に存在しなかった輝きに包まれた素晴らしいダイヤモンドが生まれました。藤原さんがあちら側と言ったのは興味深く、私は思い切ってその上のカットを試みたら、226面体のカットが数学的に可能になり、次に254面体を作ったらピンクに輝き、現在では504面体のダイヤモンドも完成しています。
 だが、これは10カラットの原石を6カラット強に削り込むし、研磨職人が全精力を注入して数ヶ月かかり、仕事としては大変なチャレンジになりました。

藤原 カットを増やして限界に挑戦することは、熟練した職人にとっては大変だろうが、254面体カットは58面体カットに較べて、目方の減り方の歩留まりはどんな具合ですか。

首藤 カラットの比較では7割から6割の間で、58面体のブリリアント・カットが誇ったメリットは美しい輝きと歩留まりの良さであり、それが100年も市場を支配した秘密だったのです。だが、光の色と輝きに重点を置くならば、カラット数にこだわるのは意味がないと思うのです。

藤原 量よりも質を評価する世紀が始まっています。ダイヤの価値が輝きだと理解できる人には、目方のカラットは少なくても輝きに惚れて、そこに高い評価を与えるのは当然であり、王者の王と王様の差じゃないですか…。


33多面体ダイヤモンドを使ったレーザー光線でガンが治る希望

首藤 そういうことであり、理解力のある人ならば直ぐ分かります。だから、ダイヤの下半身が深くなって目方が減っても、カット数が増えてファセットが多くなり、出てくる光の質が輝かしいものになる。しかも、反射光ではなく螺旋状に渦巻く光だから、ダイヤモンドの持ち主の満足感は絶対です。面白いエピソードを紹介して置きますが、最初に86面体のダイヤモンドを作った時に、もの凄い大金持ちがダイヤを見に来て、どうしても期待するように輝かない。
 ところが、彼女が帰った後で猛烈に輝き始めたので、これは奇妙な現象だと首をかしげたのだが、人間の心のバイブレーションがダイヤと共鳴したようです。

藤原 人間の精神活動は一種の波動の伝播だし、ダイヤモンドは炭素の最緻密パッキング構造だから、生命細胞と生命の結晶の炭素が共振するのです。

首藤 それは多くの人が証言していることであり、最近完成した504面体のダイヤは凄いパワーを持ち、ダイヤの20m以内にいるとバイブレーションで、霊性の高い人は体が熱くなるのを感じます。だから、このダイヤにレーザー光線を当てることを考えて、免疫学の権威の安保新潟大学医学部教授と、白血病の細胞とリンパ球の混合培養液を使い、白血病やガンを治す基礎実験をしたら、ガン細胞の死亡率が180%も伸びたという結果が出た。最初は安保教授はレーザー光線によって、ガン細胞が殺されたと推測したのだが、86面体カットから出る光が螺旋拡散するので、リンパ球を活性化させると考えを改め、色んな応用技術について研究を進めています(第11図)。

藤原 光の振動でフォトン(光子)が細胞に働きかけて、一種の共振作用を起こすとしたら凄いことであり、鉱物の結晶が持つ特有な波動効果で、生命力が活性化する可能性が十分にある。瑠璃(ラピス・ラズリ)は夜明けの太陽に感応して、生命力を活性化すると昔から言うし、そのバリエーションが水晶を使った数珠だが、瑠璃も水晶も珪素による石英で構成され、石英は発信機に使うようにエピゾ電気を発生するから、ダイヤモンドも電磁共鳴をするのでしょう。医学への応用は非常に将来性があるし、友人で慶応大学教授だった森啓さんは、太陽光をファイバーグラスで導いて照射したら、肉腫が消えるという実験成果を出したが、石英よりダイヤモンドの方が威力はありそうです。

首藤 だから、安保教授は免疫学の大家らしい発想で、それを人工透析の時に使うことを考えて、血液を体外で循環させるプロセスに組み込み、血液にこのレーザー光線を照射する治療法に、これを応用出来そうだと言っています。

藤原 実に興味深いですね。宝飾品としてのダイヤモンドだけでなく、医療用にもディアナサンのダイヤが使われれば、需要は無限ちかくにまで広がると思うが、とりあえずは宝飾の分野で足場を築く上で、ビジネスとしての発展という意味で考えて、どれくらいの生命能力があるのですか。

首藤 ビジネスという点では86面体か114面体が最良で、それなら目下のところは年間千粒くらいだが、三千粒くらいなら直ぐに実現できます。
 ダイヤモンドは地上で最も硬い鉱物であり、ダイヤの粒でしか磨けないだけでなく、人材を育てて熟練工にすることが難しいが、それはナノテクとの関連で解決できますよ。それに地元の期待に応える意味では、日本の地場産業を育てる構想を作れば、東北地方には綺麗な空気や水があるので、将来性のあるダイヤモンドの研磨工場が、育つように指導できると期待できます。

藤原 秋田の鉱専や東北大金属冶金研のように、東北地方は地下資源と結んだ技術の面では、日本で有数な研究施設があったのだから、ダイヤ削りによってその伝統を復活するのようにして、仙台に新しい地場産業を育てて下さい。失政続きで不況が長引いて息苦しい時代だが、今日は明るい展望と希望に満ちた話で、しばし閉塞感から開放されて息抜きになりました。楽しい話どうも有難うございました首藤社長の益々の活躍を期待しております。






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