『財界 にっぽん』 2010.06月号



平成無血革命と歪んだ日米関係

政治評論家、前参議院議員 平野貞夫
vs.
慧智研究センター所長、フリーランス・ジャーナリスト 藤原肇



四回にわたってお届けした連載対談は、前号5月号壱もって完結 する予定であったが、民主党政権発足半年を経た今も「政治と力ネ」 間題をめぐって「小沢バッシング」は収まらない。それが影響して か、大手メディアの世論調査の結果は、政権支持率が低下する一方 であり、内閣が崩壌する様相さえ呈している。なぜこれほどまで執 拗な抵抗が続くのか。両氏がその背景を鋭く分析した。一部敬称略



混迷の度合いを
強めた日本の政治

藤原 鳩山首相による民主党内閣 が動き出して、ほぼ半年が経過し た現在の時点で見る限り、政治の 変化は僅かだという印象が強く、 国民は大いに落胆して失望してい る感じです。その原因に首相のリー ダーシップの不足と共に、今の日 本に何が最優先事項かを見定める 点で、プライオリティを決定付け る発想の欠如があり、それが政治 を空回りさせていると思います。

平野 それもあるが、民主党の国 会議員が平成無血革命について、 全くといえるほど認識を持ち合わ せていないので、これから何かや るという意欲がありません。真剣 に勉強して使命と責任について理 解し、どういう手順で政治に取り 組むかを考え、選挙民の期待に応 えなければならないのに、役職が 欲しくて出世したい者ばかりです。 しかも、それ以上に悲惨なのはメ ディアの堕落であり、政治の本質 にとって大切な問題を見失い、セ ンセーショナルな問題を大騒ぎし たが、それが鳩山と小沢の金銭ス キャンダルです。

藤原 利権と金権に国民が強く反 発したお陰で、自民党による暴政 を選挙で葬ったのに、革命政権の 首相と幹事長が不正を追及され、 火ダルマ同然になったのでは誉め られません。

平野 そういう批判があるのは当 然だと思うが、それが誰かによっ て仕組まれたものであれば、かえっ て危ないことだと危惧します。そ う考えたので私は政治家を辞めて、 過去の体験を総括して『平成政治 20年史』を書いたが、生涯を議会 政治の中で生きた私には、遺書と して次の世代に残す『懺悔録』で す。だから、私はこの本の「まえ がき」において、「昭和四〇年代 以降の重要法案や予算等の審議、 疑獄事件の紛糾処理のほとんどに 関わってきた。国会職員は法律で、 『政治的中立』を義務付けられて いるが、同時に各党派や国会議員 からのさまざまな依頼について、 誠実に対応しなければならないこ とになっている。私の特殊な職務 体験のせいか、与野党の多くの政 治家から、さまざまな相談事が持 ち込まれた。これらを可能な限り 私は記録しておいた」と書いたの です。


情報操作をする
ための陰謀グループ

藤原 インターネットでブロッグ の記事を検索していたら、平野さ んが書いた『平成政治20年史』が 素晴らしいとあり、本屋で買って 読んで思わず驚いたのは、たった 数行だが「三宝会」の記述があっ て、そこには「選挙が終わると、 国会の内外で小沢潰しが活発化し た。もっとも陰湿なのは、竹下元 首相の指示で、『三宝会』という 秘密組織がつくられたことだ。新 聞、テレビ、週刊誌などや、小沢 嫌いの政治家、官僚、経営者が参 加して、小沢一郎の悪口や欠点を 書き立て、国民に誤解を与えるの がねらいであった」とあり、私に とっては「三宝会」という名前は 初耳でしたが、別の形でピーンと 思い当たったのです。

平野 その別の形で思い当たった ことについて、興味深いのでそれ がどんなことか教えてくれますか。

藤原 1980年代に電通がメディ ア工作用に「青の会」を作り、田 原総一郎がその幹事役に抜擢され て、学者や評論家を権力の御用に 仕立て上げ、メディアの上で派手 に活動していました。私が育てた 何人かの若い人材に手が伸び、雑 誌の座談会やテレビの討論会に、 出席する誘いが掛かってきたので 調べた。そうしたら、政府の機密 費と財界のカネが動いていて、若 くて有能でもカネに飢えた人びと が、どんどん引付けられていたの です。
 そういった工作の総元締めは川 島広守で、彼は警察庁の警備局長 から長官を経て、その後はセント ラル・リーグ会長に就任したが、 日本のプロ野球は読売の正力松太 郎と同じことで、公安警察向けの CIAの指定席なのに、日本人は お人好しだからその仕組みに気づ かない。

平野 政府には工作用のカネがあ るから、マスコミ対策として色ん なことをやっており、内閣の機密 費が利用されたようですな。

藤原 1970年前後からこうし た動きがあり、文芸春秋社が内調 のカネで「諸君」を創刊したが、 その担当をしたのが田中健五でし た。田中は清水幾太郎を転向させ た功労者で、『諸君』、『週刊文春』、 『文芸春秋』の編集長を経て、最 後には文芸春秋社の社長になって いる。だから、『文芸春秋』は政 府広報がダントツで、田中の出世 の足場は内閣調査室だったが、そ の使い走りが彼の人生の始まりで した。また、『諸君』や『正論』 で名を売った学者が集まって、 「政策構想フォーラム」などの組 織が発足し、それが大平のブレー ンを経て中曽根のブレーン政治に なる。そして、1980年代にP HPが「松下政経塾」を生み、 「世界平和研」や「笹川財団」な どと並んで、平野さんが指摘した 「三宝会」が発足するが、発起人 の福本邦雄は有名な政界フィクサー でした。


「三宝会」の系譜と韓満
人脈のコネクション

平野 福本和夫は戦前に福本イズ ムで一世を風靡し、その長男の邦 雄は水野成夫に拾われて、産経新 聞の記者を経て岸内閣の時代に政 界に入り、椎名官房長官の秘書に なっています。その後は京都放送 の社長や政界フィクサーになり、 画商として竹下の金屏風事件を仕 掛け、後で中尾栄一建設相の収賄 疑獄で逮捕されたが、竹下の利権 人脈のキイマン的な人物です。

藤原 言うならば、読売のナベツ ネや田中清玄みたいな存在ですね。

平野 そんなところです。また、 岸信介や椎名悦三郎という満州人 脈や、竹下登から政治の裏を指南 されたことで、情報操作と錬金術 に優れていたらしい。だから、 「三宝会」は竹下元首相を最高顧 問にして、財界とメディアによっ て1996年に作られており、野 党潰しを目的にして動き出すが、 その契機になったのが細川政権の 誕生で、狙いは小沢一郎を抹殺す ることでした。

藤原 どうして小沢一郎に狙いを 定めたのですか。

平野 1993年に細川政権が生 まれる前段階として、1992年 12月に「改革フォーラム21」が発 足したが、中心にいたのが小沢一 郎だからです。また、1994年 に社会党とさきがけを自民党が取 り込み、政権奪還した根回しを竹 下がやっており、この時に竹下は 小沢を最重要警戒人物と認定し、 小沢を封じるための秘密組織を使 うことにして、福本邦雄に「三宝 会」を作らせたのです。

藤原 『夜明け前の朝日』に詳し く書いたが、竹下は平和相互の小 宮山一家や許永中とも繋がり、京 阪神の暴力団と密着していたため に、イトマン事件や皇民党事件に 巻き込まれています。しかも、最 後には奇妙な死に方をしているが、 あの頃のアングラ事件の謎解きに 関しては、『朝日と読売の火ダル マ時代』と『夜明

平野 「三宝会」には大手企業が 参加しているが、法人の年会費が 36万円もしているだけでなく、個 人会員の参加費が一万円もかかる のに、新聞では朝日(5人)、日 経(3人)、毎日(3人)、読売 (3人)、共同(3人)、テレビで は日本(2人)、テレ朝(2人)、 フジ(1人)、TBS(1人)、出 版では文芸春秋(3人)、講談社 (2人)、プレジデント(1人)、 選択(1人)、朝日出版(1人)と いう具合です。また、メディアを 代表する世話人としては、高橋利 行(読売・世論調査部長)、芹沢洋 一(日経・政治部次長)、佐田正樹 (朝日・電子電波メディア局長付)、 後藤謙次(共同・編集委員)とい う顔ぶれが並び、こういった人が マスコミ対策を指令しました。

藤原 法人会員の顔ぶれを一瞥し たら、韓満人脈の影が私には読み 取れますよ。しかも、それが太平 洋を越えて戦後の米国人脈になり、 岸信介や正力松太郎がCIAに使 われて、アメリカの日本支配の手 先だったが、この事実は公開され た米国の外交資料が証明している。 「歴史は繰り返すという」教訓か らして、同じパターンは最近の日 本の政治にも反映し、それが検察 ファッショとして現れていること は、私にはパターン認識と直観で 分かるのです。


メディア操作と
検察ファッショ

平野 検察ファッショは政治的意 図による強権的捜査を指し、戦前 の「番町会事件」が代表的である が、ロッキード事件の時の捜査の 仕方は、国民の多くに検察ファッ ショを感じさせた。田中首相を外 資法違反で逮捕して、一応は首相 の犯罪として話題を賑わせたが、 アメリカ側には免責条項を適応し たのに、日本側の捜査には無理が 目立って、どう見ても納得できる ものではありません。

藤原 それは軍備が絡む汚職だっ たからであり、本当は対潜哨戒機 (P3C)の購入に際して、防衛 庁長官(当時)の中曽根康弘が関 与した、極めて重大な結果を生む 防衛疑獄だった。だから、検察が 架空の物語をでっち上げて、疑惑 を隠すために問題をすり替えたが、 全日空のトライスター旅客機の輸 入の形で、手癖の悪い田中角栄に 冤罪を押し付けたのは、CIAが 中曽根の罪を救うためでした。

平野 リクルート事件で自民党を 離党しているが、ロッキード事件 では深手を負うこともなく、中曽 根は首相として米国に貢いでいま す。

藤原 その後の日本の政治は米国 のしたい放題で、中曽根と竹下が カジノ経済とヤクザ政治を行い、 バブルが炸裂して日本はガタガタ になった。しかも、SII(構造 障壁攻略)に続き追い討ちの形で、 金融を使った企業の乗っ取り工作 が進み、ネオコン路線に追従する 小泉や安倍が、対米追従のゾンビ 政治を続けたのです。

平野 バブル経済から現在までの 四半世紀が、僅か30秒か40秒の時 間で説明されており、現在に至っ ている点で実に明快です。確かに、 藤原さんらしい鳥轍的で客観化し た総括だが、過去20年の政治史を 一冊の本にして、数百人の人間の 判断や行動を描いた私にとっては、 その総括では物足りないように思 う。そこに生きている人間が不在 のために、へーゲルの歴史哲学を 読む感じがして、もう少し人間臭 のある観点がなければ、自分が生 きた時代として面白くないし、淋 しすぎて楽しくないという気がし ます。


日米関係におけるCIAの
役割とジャパン・ハンド

藤原 分かりました。25年間に僅 か四人の首相の名前の登場だけで、 日米両国がゾンビ政治やネオコン として規定され、病院の無菌室の ような空気を感じて、面白みを欠 いてしまったかも知れない。そう なると細部を描く必要が生まれ、 個人レベルの体験調書の登場にな るが、日米関係の歴史を決定付け ているのは、CIAと結んだ自民 党に陣取った政治家と、日本人を 操ったジャパン・ハンドの関係で す。岸信介と正力松太郎に関して は衆知だが、児玉誉士夫と中曽根 康弘に関しての情報は、それほど 知られていない状態が続く。だが、 中曽根がハーバード大でのゼミに 参加を手配したのが、ジョンズ・ ホプキンス大のセイヤー教授であ り、彼はSAIS(国際問題研究 所)の日本担当教授で、元CIA のアジア太平洋担当の部長だった し、彼は中曽根の英語論文の代筆 までしました。

平野 その辺にCIAコネクショ ンの原点があり、ロン・ヤス関係 で中曽根が日本を「不沈空母」と 発言したが、軍事同盟の太いパイ プが読み取れますな。

藤原 その後継者が立川基地が 地盤の長島昭久で、彼は自民党の 石原伸晃の秘書をやってから渡米 し、SAISのブレジンスキ了教 授のゼミで仕込まれた。しかも、 ジョージタウン大のCSIS(国 際戦略研究所)で日本部長をやり、 ブッシュのネオコン政権で東亜部 長として日本を手玉に取った、マ イケル・グリーンの弟子になって 帰国した長島は、民主党から出馬 して議員になった。彼は防衛省の 政務官に就任しているが、グリー ンがどんな思想と行動の持ち主か を知れば、長島が時限爆弾になる 危険性は高い。また、CSISの 研究員としてグリーンに指導され、 親父の渡部恒三衆議院副議長に対 して、強い影響力を及ぼしていた のが息子の恒雄であり、民主党の 元最高顧問は間接的にグリーンに 引きずり回され、渡部恒三は日本 の議会政治を歪めているのです。

平野 それで「偽黄門」がブレま くったのであり、渡部恒三が見せ びらかす閻魔帳の印籠が、政治を 狂わせる原因を作って来たのです。

藤原 最近のブロッグで四年前に 平野さんが書いた、「『偽黄門』 と『阿波狸』が民主党のガン」と いう記事が話題になり、コピーし て来たので読んでくれませんか。

平野 サワリはここです。「『黄 門さん」を自称している老人が、 前原体制のつっかえ棒として登場。 東北弁で国民的人気者になりかけ た。これが『偽黄門』であること を、民主党もマスコミも見抜けな いから困ったものだ。…マスコミ も『偽黄門』だと知っていて、秘 密をもらす貴重な人物として大事 にするという、日本の民主政治を 堕落させる存在なのだ。それまで 小沢改革が成功しそうになると、 人格攻撃をくりひろげ、足を引っ ぱってきたのが『偽黄門』の正体 だ」。これは偽メール事件があっ た2006年に書いたものだが、 四年後の今でも似たようなことが 繰り返されて、「七奉行」などが 騒がしく右往左往していますよ。


M・グリーンという
日本叩きの太鼓屋の怨念

藤原 その震源地はワシントンの CSISであり、そこでマイケル・ グリーンに手なづけられて帰国し た一人が、横須賀の海軍基地の手 配師一家で、ゾンビ政治とロカビ リーで親父が日本の体面を傷つけ た、世襲四代目議員の小泉進次郎 なのです。政治家の不出来な息子 を筆頭に、動機を持つ在日系や松 下政経塾の留学組は、「奇貨をお く」対象として恰好のカモです。 かつてロスに留学中の安倍晋三に、 KCIAの朴東宣が接近してスカ ウトしたが、結果は勝共連合の大 戦果を生んでおり、脇の甘い留学 生は情報戦の標的です。

平野 それで、小泉純一郎の息子 もグリーンの洗礼を受け、目出度 く世襲代議士としてお披露目した わけだか、子分や手先のリクルー トの仕掛けは巧妙なものですな。

藤原 当事者たちが亡くなって時 効だから、30年前の話を披露して もいいと思う。
 実は、私がカンサスで石油会社 を設立した時に、サムタクという 計器会社を経営していた椎名素夫 さんが、エネルギー開発の重要性 を評価して、開発事業の仲間に参 加してくれました。そして、同時 にサントリーの佐治敬三社長が、 石油ビジネスを教えて欲しいと割 り込んだ話は、『地球発想の新時 代』に書きました。そこで、椎名 さんは森財閥の森暁さんと一緒に、 ハートランド掘削会社を作った後 で、政治家として政界に軸足を移 しました。

平野 椎名素夫さんは原子力の専 門家だが、石油にも関係したとは 初耳でした。

藤原 椎名さん米国の政界で信頼 されたので、私は彼と友人関係を 維持しましたが、彼は防衛問題に 専念するようになり、中曽根と接 近したので距離を置きました。
 だが、選挙で小沢に苛められた 話は良く聞き、岩手の選挙区で小 沢の熾烈なやり方を教えてもらい、 政治の世界の嫌らしさを痛感しま したよ。

平野 でも、二人は同じ選挙区で 国会議員になっています。

藤原 だが、後日談がありまして、 最初は英語教師として来日したグ リーンは、東大の佐藤誠三郎教授 に師事した関係で、中曽根や笹川 財団に接近したのです。しかも、 椎名議員に拾われた若き日のグリー ンは、事務の手伝いや秘書役をし ているうちに日本通として、ファ シスト的な軍事オタクになった。 そして、帰米したグリーンはFS X問題で論文を書き、日本の防衛 政策の専門家として成長し、謀略 家で悪名高いアーミテージに従い、 ホワイトハウスで日米同盟を担当 したことで、日本が受けた打撃は 絶大になったのです。

平野 それはどういうことですか。

藤原 怨念という言葉は不適切か も知れないが、選挙で小沢が椎名 を苛めた仕返しの形で、グリーン は日本を小沢と見立てており、奇 妙な怨みの感情のために日米関係 を歪めたのです。それが検察官僚 をファッショ化に駆り立て、前原 などの七奉行が呼応する形になり、 政治的な混迷を継続させた構図に なった。

平野 検察ファッショが継続した 原因が、その辺にあると何となく 分かるのだが、対策にどうしたら 良いのでしょうか。


デコンストラクションと
21世紀型の選挙

藤原 小泉流の刺客は悪魔の選挙 戦術だが、小沢流の強引なやり方 も時代遅れであり、新世紀にふさ わしいインターネットを活用し、 情報化時代の選挙のやり方の採用 が必要です。それを活用してオバ マは大統領になり、国民が政治参 加の意識高揚に成功しているが、 キイ概念はデコンストラクション (脱構築)でして、それを参考にす るのが良いかも知れません。

平野 それはどういう概念なので すか。

藤原 変化の全体像を洞察して構 造を作り変え、変化に次元転換を 与える革命的な手法で、フランス 哲学の精髄の政治への応用です。

平野 具体的にはどういう選挙の やり方をして、政治を変えて行く のでしょうか。

藤原 選挙は応用のひとつに過ぎ なくて、21世紀の社会がどんな内 容かを理解すれば、選挙のやり方 は自ずと分かってくる。『ジャパ ン・レボリューション』という題 の本があるが、これは二年前に亡 くなった正慶孝先生が、私と共著 で出した民主革命の指南書でして、 この中にノウハウのヒントが書い てあります。正慶教授は小室直樹 博士と並んで、意味論の権威とし て日本の双壁であり、文明学者の ダニエル・ベルの伝道解説者でし た。

平野 その本の中に、選挙や革命 のやり方が書いてあるのですか。

藤原 文字になくても行間に書い てあって、直観力で全体像を把握 することにより、それが浮き上がっ てくるのですが、残念なことに本 は手に入りません。実は3500 部刷ったのだが売れなくて、出版 社が3000部ちかく断裁してし まい、見つけ出すのがほとんど不 可能です。本の在庫には税金がか かるために、出版社が在庫を確保 できない税法があり、日本の出版 文化は絶滅に瀕しています。こう した狂った税法を改めた上で、パ チンコ業界や擬似宗教から税金を 取り、それで得た税収で国民に減 税をすれば、平成無血革命は成功 に一歩近づくし、この本の存在は それを教えています。昨日は出版 社に行き倉庫を探してもらい、やっ と二冊だけ見つけ出して来たので、 一冊は鳩山首相に私がプレゼント します。だが、もう一冊はあなた が熟読した後で結構だから、小沢 一郎に読むようにと手渡してもら えれば、平成無血民主革命の行く 手を照らす松明として、きっと役 に立つと確信しています。

平野 分かりました。必ず渡して 役に立ててもらいますが、それに しても、本が売れなければ断裁処 分にするとは、何とも日本は情け ない文化国家ですな。

藤原 これが現代日本のギロチン の正体ですよ。ところで、平成無 血民主革命を成功させるためにも、 小沢幹事長が実権を揮う地位から 退き、長老の立場で組織運営をア ドバイスするという、世界の指導 若のやり方を使うように、平野さ んから彼に助言して欲しいですね。

平野 いずれそうしようと小沢は 考えているが、今ここで長老にな るわけに行かないと思って、参議 院選挙を全力投入で指揮していま す。とにかく、政治が何かが分か らない代議士が沢山いて、今の民, 主党は混乱状態に陥っているが、 自民党がより支離滅裂で壊滅状態 だから、何とか持ちこたえている のが実情です。だから、数日前に 私が小沢一郎に会った時に、「あ なたの功績は選挙に勝ち革命を始 めたことだが、最も悪い点は出来 の悪い人間を国会議員にして、政 治が何も分からない代議士を大量 生産したことだ」と言ったのです。

藤原 選挙は理想を実現するため のもので、目的に挑むための手段 に過ぎないし、単に勝てば良いと いうものではなく、優雅で鮮やか な形で勝負を競うことです。しか も、理想の社会を作るためには、 どんな政治を如何にやるかである し、その実現にはどんな人材が必 要であり、そうした資質の人を議 会に送り出して、活躍してもらう 選挙を目指すこと。それが平成革 命の成功への道であり、共生と博 愛を目指す政治を背後から支え、 小沢や鳩山の革命コンビが安心し て、民主党の長老の席に陣取るこ とで、次の世代が育つように導く のが、革命人生を飾る花道になる と思います。(終わり)


記事 inserted by FC2 system