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ハイポロジック型の超発想のすすめ
1 名前: 藤原肇 投稿日: 2003/05/01(木) 17:24
脱藩道場や脱藩クラブなどで予告しておきましたが、「財界にっぽん」六月号に山田久延彦さんとの対談、「迷走する日本の高等教育システムとノーベル賞のメタファー」と題したものが出たので、既に一部の人は記事を読まれたことと思います。亀山さんが既に山田さん並びに彼の著書について紹介していますが、山田さんは上野高校で私の一年先輩であり、上野高校が生んだ数学の三気違い(天才の別名)の一人で、矢野健太郎さんと並んで解析ではアインシュタインを遥かに超え、ノーベル賞問題を論じる上では得難い人物なので、彼を相手にしてこの問題を取り上げてみました。昨年のノーベル賞の内容が奇妙だのに誰も問題にせず、国内はまるでお祭り騒ぎに似た状態でユーフォレアでした。
これに疑問を呈す発言をするには冴えた問題意識と勇気が必要であり、それは憲法を無視してイージス艦を戦場に派遣した小泉内閣に対して、法を踏みにじるファシスト政権と批判するのと同じ勇気が要ります。今の日本にそれだけの発言をするジャーナリストはいないが、誰かが正々堂々と発言しない限りは、民主主義のルールを平然と無視して暴走する権力者が、したい方題して日本の社会は滅茶苦茶になるのは明らかです。政治と社会の相似現象を考え、そこで数学の天才の山田久延彦さんを引き出して、ノーベル賞と電磁波兵器の関連性について、議論してみようという気になったわけです。また、山田さんの言うハイポロジクス発想に啓発されて、私自身の発想法も飛躍的に柔軟になったのです。
グループAに入っている「虚構と瞑想からの超発想」は、20年前にダイヤモンド社から「ハイポロジック発想」と題して出版になったが、長らく絶版で古本屋でも見つけるのが大変でした。ある日のこと東明社の吉田社長にこの本の素晴らしさを喋ったら、吉田さんがダイヤモンド社に行き版権を入手して来て、復刻版として「虚構と瞑想からの超発想」として生まれました。吉田さんは復刻版を作る名人です。また、吉田さんによって復刻されたこの本を何十冊か買って、私は海外留学している若い人に贈ってあげたことで、どれだけの人材が育つのに役に立っただろうと思うと、私は著者の山田さんに対して感謝せずにはいられません。
話は飛びますが勝海舟の伝記を読むと、蘭学を学んでいたときに「ズーフハルマ」と出会い、彼は寝る間も惜しんで筆写したことが出ているし、福沢諭吉も適塾で写本の生活をしたそうです。吉田さんが復刻版を作って下さったお陰で、私はより若い留学生のために写本を作らずに済み、どんなに助かったかと思うと東明社への感謝は絶大でした。だから、東明社が経営的に大変だと知って全力をあげて支援を試み、後世のために伝えたい本を選んで買い取ることに決めて、それを読む意思を持つ人のためにブッククラスターの形にまとめ、亀山さんの協力を得て入手したい人と結びつけて貰いました。皆さんもこの本に親しむことによって、奇想天外な発想の持ち主になったらと良いと考えます。
私にとって本ほど価値のある財産は無いと思っており、一冊の本を探すためにわざわざパリの古本屋に飛行機で飛び、それで確認した知識を下に本として纏めたものもあり、その意味では「間脳幻想」と「朝日と読売の火ダルマ時代」の二冊は、一冊あたりの取材に費やしたコストを計算したならば、たぶん定価の十倍以上は掛けただろうと思います。本として仕上げることを通じて学んだ知恵が、その得がたい報酬だったと思って満足しない限り、本を書くことで生活しようと考える気にはなれず、そうでない排泄物のような内容の本が氾濫する日本は、本当にごみため同然ではないかという感じです。皆でハイポロジクスについての議論をしたら、きっと良い頭の訓練になるのではないかと思います。

2 名前: 亀山信夫 投稿日: 2003/05/02(金) 15:04
藤原博士、貴重な投稿を有り難うございました。

ところで、藤原博士が言及されている『財界にっぽん』は、よほどの大型書店に行きませんと入手が困難です。しかし、『財界にっぽん』には頻繁に藤原博士の寄稿が掲載される他、脱藩クラブ、脱藩道場などのメンバーもペンネームで貴重な情報を『財界にっぽん』に寄稿しています。そこで、簡単ですが、脱藩道場で『財界にっぽん』新号のご案内をさせていただきました。以下のURLで藤原博士が言及されている山田久延彦先生との対談、「迷走する日本の高等教育システムとノーベル賞のメタファー」が載った『財界にっぽん』六月号をご案内しております。表紙の写真をクリックしますと、目次を読むことが出来ますので、一度ご訪問ください。

http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www2.tba.t-com.ne.jp/dappan/dojo/zaikai.html

グループA(『虚構と瞑想からの超発想』)およびグループB(『隠されている「秘教」の実体』)に目を通された方は、書評を本掲示板に投稿していただければ幸いです。宜しくお願い致します。


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3 名前: 相良武身 投稿日: 2003/05/09(金) 23:05
相良です。ノーベル賞は、絶対ではないことは、皆さんのご存知だと思います。
代表なのはフガビーによるガンの寄生虫説(同時期に日本で山極教授の研究が
行われていたが無視された)とか、佐藤栄作の平和賞にいたっては、誤りと
認めています。とすれば、小柴氏と田中氏のあまりの差については、何かあると
考えれるのが普通ではないでしょうか。つまり、日本のメディアがばか騒ぎを
することも踏まえ、渡したくなかった受賞を打ち消したのではないでしょうか。
日本のメディアは予想通り、騒ぎまくり、小柴氏は見るからに機嫌が悪いのをみて
やれやれと思ったのは選考委員会ではなかったでしょうか。
最近、めちゃくちゃな日本経済新聞(もどき)の私の履歴書を読むと
東京大学の教授は、まるでxxxの親分でないとなれないことを白状しているようで
読んでて、悲しくなりました。最近の私の履歴書は失脚する人の打ち上げ花火の
様相を示していると思う私はおかしいのでしょうか。
財界にっぽんの対談は、まだ、始まりにしかなりません。続編に期待したいと思います。

4 名前: 藤原肇 投稿日: 2003/06/09(月) 15:17
最近の「財界にっぽん」に掲載された山田さんとの対談を読んで、日本の高等教育の問題点やノーベル賞についての議論が、「虚構と瞑想からの超発想」で展開している山田さんの発想法に較べて、かなり迫力が違っていたと感じたかも知れません。実はこれは最初から対談として試みられたものではなく、彼と久しぶりに会って新橋の割烹料理屋で夕食し、その後で喫茶店でコーヒーを飲みながら喋ったことが、後でテープを聞いたらとても面白い議論だったので、興味深い部分を抽出して対談に纏めたものであり、彼自身も対談になるとは予想もしなかったと思います。だから、山田さんらしい超発想が余り飛び出さなかったので、山田流の奇説や珍説が飛び出さなかったのは彼の責任ではなく、食事しながらのお喋りでもあれだけ内容があったのは、さすがにハイポロジストの彼だと言うべきでしょう。
ダイヤモンド1983年にで出た「ハイポロジックス発想」は、長らく絶版だったが神保町の古本屋でみつけたので、それを東明社の吉田社長に贈呈したときに、こんないい内容の本が絶版なのは惜しいと言ったら、それを「虚構と瞑想からの超発想」として復刻したことは、確か前にそのいきさつを書いたと思います。吉田さんの凄いのはただ復刻版を出したのではなく、補説として「瞑想からのハイポロジックス発想」と共に、旧版の最後に「宇宙波動と腸意識について」を付け足し、内容をぐっと引き締めたものにした独創性です。この本の半年前に「宇宙波動と超意識」を出したので、その影響が残っていることを実証するには、「超発想」の表紙のフラクタル・パターンの波紋が、「宇宙波動」の表紙の波紋の写真と同じであり、これは私が撮影したプールの波紋の写真(p187)で、そこまで見抜くのがインテリジェンスの真髄です。
また、山田さんの洞察力の凄さは「超発想」に集約されており、自動車のデザインの将来を脊椎動物の進化で読んで、166pの図25で描いたのが1983年でした。彼の予想は20年後の現在のSU車ブームを生み、途中で三菱自動車のバジェロの成功にもなったが、彼自身は先見性がありすぎたが故に恵まれず、出る釘は打たれるで成功の前に脱藩しています。これが日本の社会と会社が抱え込んでいる、どうにもならない因習発想に毒された体質で、そのせいで今の日本は亡国の淵に転落しています。補説をつけて本として出す吉田さんのアイディアは、私がフランスに行く前に謄写版で60部ほど作り、友人達に配った「山岳誌」を留守宅の母から借りて読み、出版したいので補説を書いて欲しいと言われたのと、共通した誕生の歴史を持つように思います。それは「山岳誌」の項で改めて論じますが、これが東明社の本に見られる個性です。
「超発想」の魅力は吉田さんの好みの補説に生きていて、サンスクリットの原典に立ち戻って解釈する形で、「般若心経」を現代語に新訳している部分にあり、これは山田さんの他の本にも収録されているが、「超発想」の最後にもあることが素晴らしいといえ、この新訳自体がハイポロジックスを体現しています。

5 名前: 藤原肇 投稿日: 2003/06/13(金) 12:59
前回「補説」について書いた後で思うことがあり、拙著で他にも補説を書いたことがあったと閃いて、自分の本のクラスターを探してみたところ、出版になった最初の本の「石油危機と日本の運命」にも、あったことを発見したので20年ぶりくらいだが、この本を読み直したので改めてスレッドを起こし、そこに最初の著書についての記録を記すことにします。
同時に亀山さんにお願いですが、「藤原肇・ブッククラスター・クロニクル」を起こしていただければ、読者の参考資料のデータベースになるように、手持ちの書評コピーや出版の思い出などについて、そこにまとめて書いておけば遺書代わりになるので、時間をかけて綴っていきたいと考える次第です。

6 名前: 亀山信夫 投稿日: 2003/06/14(土) 05:36
「藤原肇・ブッククラスター・クロニクル」のご提案有り難うございます。書籍ごとに書評のコピーや出版の思い出について執筆していただけるとの由、一読者として楽しみにしております。

さて、「藤原肇・ブッククラスター・クロニクル」については以下のようにしたいと考えます。藤原博士をはじめ、ブッククラスターの皆様のご意見をお願い致します。

1. 最初に、書評のコピーや出版の思い出について、藤原博士に本掲示板に書籍ごとに自由に筆をすすめていただく。写真・手書きのメモ、大量のWord、PDF、Excelファイル等、本掲示版に載せることが出来ない資料がある場合、亀山宛に送付して頂き、当方でスキャンしてホームページにアップロードしていく。
2. 読者からのスレッドに感想・意見・情報等の投稿も歓迎、積極的にアップロードしていく。
3. ホームページ【宇宙巡礼】に既に在る「著書」の中に含めるか、「クロニクル」として新コンテンツを立ち上げるかは未定だが、本HPを一緒に管理している数名のメンバーと相談して詳細を徐々に決めていく。

以上です。宜しくお願い致します。


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7 名前: 亀山信夫 投稿日: 2003/07/10(木) 18:56
「迷走する日本の高等教育システムとノーベル賞のメタファー をアップしましたのでお知らせ致します。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www2.tba.t-com.ne.jp/dappan/fujiwara/article/novel01.html

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8 名前: 亀山信夫 投稿日: 2003/08/01(金) 05:50
「迷走する日本の高等教育システムと技術立国を損なうエゴの横行」をアップしましたのでお知らせ致します。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www2.tba.t-com.ne.jp/dappan/fujiwara/article/novel02.html

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10 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/01(土) 23:31
 「ジャパン・レボリューション」や「超経済学」、又脱藩道場の推薦図書等に紹介されてきた坂口三郎氏の著書などを並列的に読んでいると何か知識の背後に広がる聳え立つような世界が確実に存在しているかのような感覚を覚え、その感覚をできるだけ持続する事が最近の有意義な時間の過ごし方になってきました。今までは(実際は今でもそう変わらないですが)単に知識を求める本の読み方に偏っていて実践において何か役立つ生きた学習というものから離れたいわば頭でっかちに陥っている自分がありそれを少しでも乗り越えるには例え限られた知識でも柔軟に思考する発想法が決め手だと思うに至りました。

 藤原博士の著書やその対談者の知的背景には常に全体を捉えるような世界観を各人持たれていてそのぶつかり合い、ないし調和が見て取る事ができると思います。例えば易、老荘、幾何学、次元、意味論、意識、文明の歴史観等といった知的対決(対談)の場から読者はどこに注目し、何を得ていらっしゃるのでしょうか?

私は上に書いたようにまだ漠然とですが情報感やその属性(宇宙観)のようなものに興味がひかれます。特に市販されている売れんかなの評論家が書いた本を時々拝見さして頂くと同じ知識、表現を使っていてもその背景にあるものが生意気をいって申し訳御座いませんが、見えるような気がするのは自分にはもったいない本物が書いた本にたまたまあやかれている事を再認識してしまいます。

さて、今回長々と私見を述べさせて頂きましたが実は皆様に私が以前読んだことのある本を紹介して見たいと思います。題名は「「神と科学」・超実在論に向かって」ですが、著者はウ”ァチカン宗教会議にただ一人の非聖職者として参加を認められた哲学者のジャン・ギドンと宇宙物理学者のグリシュカ・ボクダノフ+イゴール・ボクダノフ。幸田礼雅訳・新評論社この本は91年度フランス出版界のベストセラーに輝き発売開始一週間で六万部売れたらしいのです。日本とは出版事情が異なるフランスで六万部はその10倍つまり60万部に相当するらしく凄いと思いました。そういえば94年ぐらいに「脳内革命」が空前の大ベストセラーになった日本の文化基盤との比較もいろいろな意味で面白いのではないでしょうか。

一休みして次のコーナーでいくつか抜粋して見ます。

11 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/01(土) 23:40
抜粋入力開始 1

・・・G・B それは誰にも分かりません・少なくとも今のところは。物理学者ピー
ター・ヒグスによって提案された説明によれば、現在検出されていない「幻」粒子が
あり、それが本源的な量子間に働く対称性を破壊する役割を果たした、とされます。

J・G 整然と並んだ九柱戯の間を転がるボール似ています。

G・B そのとおりです。そしておそらくこれからの物理学の課題の一つは、これらの
幻の粒子を強力な加速度を使って検証することになるでしょう。

J・G いずれにせよ銘記すべき大切な点は、力学的宇宙、無機物からなる粒子的宇宙
は存在しない。実在はいくつかの場を基礎とし、その最初の場として私達が出会うの
は超対称の状態、絶対的な秩序と完璧な状態を特徴とする場なわけです。
 ですから私が、科学によって設定されたこの完璧な状態が神に属すると思うといっ
たら、あなた方は驚くでしょうか?

I・B  あなたの結論は、力学的決定論やあらゆる唯物論に確実に終止符をうつべ
き、もっとも適切な言葉に思われます。
 私たちはもう「厳密な意味では」素粒子というものが存在しないこと、それらは非
物質的な場の一時的な開示に他ならないことを知っています。ですから、当然次の質
問にこたえなくてはなりません。即ち、場とは「究極の」実在なのでしょうか?それ
らは幾何学構造に掩蔽された未知の実体なのでしょうか。あるいは、それらは単なる
幾何学そのものなのでしょうか?
 実をいえばこれまで述べてきたことから、空間と時間もまた基本的な場に結び付い
た投影にすぎず、一種の独立した存在をまったくもっていないといえます。換言すれ
ば「真空の」空間というイメージは物質の世界では有効ですが、絶対的な時間のイ
メージと同様いかなる意味ももたない。そうした時間のなかでは、様々な現象は原因
と結果の不変の連鎖過程において変転していきます。

12 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/01(土) 23:44
J・G 要点をまとめましょう。さまざまな場は私が「実在の精神」と呼ぶものの担い手です。しかしながらこれまでつづけてきた考察では「これらの場が何によって成り立っているのか?」という問題に触れていません。

G・B  
 まず第一に私たちは「真空というものは存在しない」ということ確認しました。「何も見出し得ないような時空」の領域も存在しない、ということです。私たちはいたるところに、多少とも基本的な量子場に出会います。のみならずこの空間は永続的な事象の発生、絶えまない変動、激しい「量子の嵐」の舞台であり、これらの嵐を通して新たな原子の基礎体がつくられ、ほとんど同時に破壊されているのです。

I・B
量子場によって生ずるこれらの仮想粒子は単なる抽象ではありません。
確かに幻の存在ではありますが、それらの作用は通常の物質界に存在し、したがって計測可能です。

J・G
もし粒子の存在基本的場から生まれるとすれば、というか、もしそれらが無から生まれるとすれば、根本的な実在には情報だけを実質とする「何ものか」ではなくてはなりますまい。」

G・B
あなたの直感を裏付けるように、今日ますます多くの物理学者は宇宙とは、一種の情報の場、宏大な情報の母胎と考えはじめています。とすれば実在は無限の相互連絡網であるかにみえます。それは私たちに近づき難い、おそらくは決して理解し得ない諸々の法則によって互いに錯綜し、結ばれあうあらゆるモデルとプランの、無尽蔵なプールともいえましょう。

13 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/01(土) 23:53
J・G  おそらくそういう考えを頭にうかべながら物理学者D・ボームは実在の深部にかくれた「見えざる秩序」が存在すると主張しているのでしょう。そういう意味では、宇宙全体が知性と意志に満ちているかのようだと認めるべきかもしれません。もっとも小さな素粒子から、銀河に至る全宇宙が、です。そして実に驚くべきことに、この両極端に働いているのは「同一の」秩序であり、「同一の」知性なのです。

I・B 物理学者たちが、宇宙は巨大な情報網に他ならないというとき、彼らが何を念頭においているかを明らかにすることは有益だと信じます。この仮説をもっとも熱心に公式化しようとしたしたある研究者は、E・フレドキンといわれる、理論家です。彼の見解では、現象下の宇宙は巨大なコンピュータの論理単位のように、というか切り替え可能な三次元の格子からできているように機能します。それゆえこの宇宙においては原子の基礎粒子やそれらがさまざまに結ばれてつくる実態は、たえず変動している「情報の見取り図」そのものだとされます。

J・G もし、フレドキンが正しいとすれば、そして諸々の法則ーこれらの法則に基づいて普遍的な情報は実在を秩序だてることができるーが発見されたとすれば、私たちはこの物理学的諸法則がなぜ機能するかも理解するでしょう。次にくる段階は、「意味論的」物理学の段階となりましょう。こうした科学上の革新は物理学の第三期の扉を開くように思えます。
 即ち第一期はガリレオ、ケプラー、ニュートンの時代で、ここでは諸運動の目録が、運動とは何かという説明ぬきで作られました。第二期は量子物理学の時代で、法則とは何かという説明がないまま、変化の法則が列挙されています。来るべき第三期の時代は法則そのものの解明でしょう。

G・B  とはいえ「物質」や「エネルギー」の概念を情報という無に帰着させることは生易しいことではないでしょう。私たちの存在の基礎となっている物質を捨て、「意味というソフトウェア」をとりいれるにはどうしたらよいのか?科学が苦労して獲得した知識の諸要素の土台はどうして新しくすげかえれるのか?意味という、この新たな宇宙の神秘をどうやって、どこで究めたらよいか?くりかえしますが「情報網」のレベルで宇宙を動かしている基本的なプロセスは、量子の世界の向こうにあるのです。現代技術によって最小の存在のレベルに私たちが潜入し得たとき、宇宙の情報という謎の王国にー一時的にしろー私たちの足場がつくれるようになるかもしれません。

14 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/02(日) 00:03
明日早く起きねばならないので続きは次回からにします。皆様の興味があればの話ですが・・。

15 名前: 藤原肇 投稿日: 2003/11/02(日) 17:41
[「神と科学」・超実在論に向かって]を紹介してもらえて感謝します。この本の存在を私は知りませんでしたが、抜粋の対談を読んでいて全身がムズムズした感じで、早く全部を読みたいという気分に支配されました。また、場について日本人が書いた優れた本としては、「記事」の欄で読むことが出来る「財界にっぽん」2002年12月号に出た、「亡国日本と使命放棄の経済界重鎮の社会責任を問う」と題した記事の中に一行出ている、「場と共創」(NTT出版)という本が何と言っても素晴らしく、
この本の中心である清水先生は場の理論に関しては日本一です。また、この本を読んだことと奥田が日本経団連の会長になったのが理由で、それまで乗っていたトヨタのカムリを売り払って、ホンダのアコードに買い換えたほとの衝撃がありました。日本人は沈黙の消費者だからメーカーに馬鹿にされており、愚劣な財界人や政治家をのさばらせていますが、消費者が問題をしっかり考え積極的に動けば、世の中を変えることが幾らでも出来ると思います。それが個人のレベルでの小さな「ジャパン・レボリューション」で、日本人には実践力が欠けているのです。

16 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/02(日) 17:49
・・・・中略・・・・・
J・G
 それにしても各「部分」が全体を含むというような効果が生まれるために、乾板上では一体何が起こっているのでしょう?

I・B
 ボームによれば、これは正に空間のあらゆる領域で極めて大規模に生ずる現象の瞬間的一例です。そしてこうして現象は原子から星、星から銀河にいたるあらゆる世界で起こっているとされます。

J・G
お話を聞くと、今まで聖書を読むときに抱いた疑問、即ちなぜ「神は自らに似せて人間をつくった」と記されているのかという問いの答えを得ました。私は人間が神の姿に似せてつくられたとは思いません。「私たち人間が神の姿そのものなのです。」・・・部分のなかに全体を含むホログラフィーの乾板のように、一人一人の人間が神聖な全体のイメージなのです。

G・B
 そのホログラフィーの乾板に放たれた変形の道をさらにすすめば、あなたのお答えの一助となるはずです。そのためにまず物質とはルイ・ド・ブロイが証明したように同時に波動だということを思い出さなければなりません。対象物はしたがって波動的形状からなりたっており、これらの形状はエネルギー的形状と競合します。そこから生ずるイメージはたえず全宇宙に広がっていく物質とエネルギーをコード化する形状ー即ちホログラフィーの乾板に似ているーのイメージです。空間の各領域は、一個のフォトンにいたるまでにたとえどんな小さなものでも、ホログラフィーの乾板と同じように全体の形状を含んでいます。そこで私たちの小さな惑星で起こることは、宇宙の全構造体系によって指示されているはずです。

J・G
 正直いってまるで息のつまるような構図です。宇宙が無限のホログラフィーに似て、そこでは各領域がそれぞれ分かれながらしかも全体を含んでいる。そこでまたしても私たちは神聖な全体ー時間的にも空間的にもーの姿の問題に戻されたわけです。確かに今私たちは、不連続のない、全体論的秩序をもった宇宙の最初の原理に到達しようとしています。ここに量子論のもっとも重要な勝利の一つを見なくてはなりません。私たちの精神はまだあらゆる結果を把握してはいないが、この革命的認識は中世末に現われた平らな地球から丸い地球へという言う観念の移行よりはるかに重大な何かを表明しています。テーブル上の一杯のコ−ヒー、私たちがまとう衣服、私が描いたばかりの絵・・・すべてこうした私たちが部分として認識している客体が、それ自体のなかに全体をつつんでいる・・・神から生まれた宇宙の塵芥や原子としての私たちはみな「自分の手のひらに無限をもっている」のです。

17 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/02(日) 17:53
・・・本書を通して我々は古い唯物論ー精神を形而上学という曖昧な世界にしめだした理論ーがもはや通用しなくなったことを示そうとしてきた。ある意味では「確実で完璧」であった唯物論は古い論理のもつ抗し難い魅力で我々に働きかけていた。世界の諸要素は確固不変であり、宇宙の神秘とその外見上の不確実は我々自身の無能、我々に内在する限界の告白にすぎないとされた。つまりそれらは遅かれ早かれ、いつかは解決されるはずの問題とされていた。

 しかるに新しい物理学と新しい理論がこの概念を失墜させた。「相補性」の原理は電子を始めとする物質の基本的成物が二つの顔をもつ単体であると解釈する。双頭神に似たこれら構成物は我々の目に、あるときは硬い物質の粒子として、またあるときは非物質的な波動として映る。これらの二つの記述は互いに矛盾するがしかし、物理学者はこの二つをともに必要とする。したがって我々は二つをともに正しく、しかも共存的なものとして扱わざるを得ない。そこでハイゼンベルクは初めて、粒子状態と波動状態との相補性こそが物質と精神のデカルト的二元論に永久の終止符をうつことを理解したのであった。

 物理学者が物質の概念そのものを非物質化した以上、彼らは同時に新たな哲学の道への希望を提供してくれたのだ。それこそが超実在(メタリアリスム論)であり、物質と精神と実在の究極的融合にむかって開かれた、いわばある彼岸への道なのだ。・・・

18 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/03(月) 23:46
藤原博士、早速のレス有難う御座いました。私ははここ一年ぐらい、特に理由はありませんが、宇宙に関する
テーマを取り扱った自然科学関係、特に哲学者、宗教者、物理学者の対談ものを何冊かまとめ買いをして、時々読んできました。
{「神と科学」超実在論に向かって}は大型書店で偶然見つけ少し立ち読みしてみたら、何やら一種の開放感と言うか快楽のようなものが襲ってきて、思わず買ってしまったのです(笑)。

19 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/05(水) 23:24
同スレッド上NO.10にて私はフランスと日本の出版事情の違いを述べたおり、フランスの6万部は日本の60万部に匹敵すると書き込みましたが大きな勘違いで本当はその後もう一度調べるとかの国においては1万部でベストセラーに数えられると書くべきでした。どうも失礼致しました。

20 名前: 亀山信夫 投稿日: 2003/11/06(木) 19:58
なにわのダルマさん、『神と科学』の紹介有り難うございます。早速取り寄せて目を通してみました。なるほど、示唆に富む書物であり、藤原さんの論文「Holocosmics: Beyond the new horizon of a unified theory in the Meta-Sciences」あるいは『間脳幻想』を苦労して読んだことがあるせいでしょうか、楽しみながら一気に読了できました。同じ科学系の本として、エイネンさんに『世界の究極理論は存在するか』(ディヴィッド・ドイッチュ著、林一訳 朝日新聞社)を数年前に紹介してもらい、目を通したことがあります。エイネンさんは“入門書レベル”の本だと言っていましたが、小生にとってはなかなか手強かった本でした。この本も『神と科学』同様まじめな本ですので、参考までに目次を以下に転載します。

『世界の究極理論は存在するか』目次
1 万物の理論
2 影の宇宙
3 問題と解決
4 実在の規準
5 仮想実在
6 計算の普遍性と限界
7 正しさの根拠をめぐる対話
8 生命の宇宙的意義
9 量子コンピュータ
10 数学の本性
11 量子的な時間
12 タイムトラベル
13 四本の撚糸
14 宇宙の終わり

また、類書と言えるかどうか分かりませんが、東明社の『易と自然科学 運命の研究』(武市雄図馬著)があります。なにわのダルマさんは同書に目を通したことがあるとのことですが、機会があれば同書の書評をお願い致します。


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21 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2003/11/06(木) 23:51
亀山さん、投稿有難う御座います。私がかの本を紹介したもう一つの理由はこのスレッドが「ハイポロジック型超発想のすすめ」と言う事もあり、その後の議論の展開を考えた場合キャパが広がると思ったからです。実際亀山さんの潜在意識が働き、武市雄図馬先生の「易と自然科学・運命の研究」を出されてこられたことを感謝します。しかし、私は確か居酒屋での談笑中、この本を既に入手しているので、少しずつ読んでいきたいと思うと申し上げたのであって一読したと発言した記憶はないですよ(笑)。まあ、それでも武市先生の易の本については一気に総論を書くという冒険より部分的に読み続け、無理をせず楽しく他分野と並列させながら、ハイポロジスをし情報の共通・類似分母を探っていくというのは如何。

23 名前: 亀山信夫 投稿日: 2003/11/07(金) 07:35
ナニワのだるまさん、おはようございます。今度の16日の総会での再会、楽しみにしております。

『易と自然科学・運命の研究』は、6年ほど前に入手したと記憶しています。きっかけは同書の出版元である東明社を訪問し、漢方・易の大家である吉田寅二社長と数時間語り合ったとき、自然に易に話か及び、その時に同書を紹介してもらったものです。爾来、6年も経つというのに、半分程度しか読了していません。

だるまさん wrote:
============================
まあ、それでも武市先生の易の本については一気に総論を書くという冒険より部分的に読み続け、無理をせず楽しく他分野と並列させながら、ハイポロジスをし情報の共通・類似分母を探っていくというのは如何。
============================

スレッドを独立させ、易経若しくは『易と自然科学・運命の研究』を中心テーマとして進めるのも一手です。ちょうど宗教と科学の境界に関心を抱いているナニワのだるまさんですので、司会をお願い出来れば有り難く思います。ご参考までに、4年前にメールマガジン【日本脱藩のすすめ】で易経を小生は取り上げたことがあります。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://dappan.hp.infoseek.co.jp/dojo/magmag/mag43.html

最近も今泉久雄氏の『易経の謎』を久しぶりに再読し、神と科学の境界を味わいました。


ホームページ【宇宙巡礼】管理人・亀山信夫

24 名前: シナジー 投稿日: 2003/11/16(日) 03:14
はじめまして。
今のところ、諸事情で今回の脱藩会には出席できそうにありませんので
ここで本とサイトをいくつか御紹介させていただきたいと思います。

『多時空論―脳・生命・宇宙』西宮 紘(藤原書店)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894340836/qid%3D1068918690/249-0554533-5813921
著者の『縄文の地霊』(工作舎)『鬼神の世紀』(工作舎)もお薦めです。

『宇宙フラクタル構造の謎―ビッグバンを遥かに凌ぐ』竹内薫(徳間書店)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198601089/qid%3D1068919641/249-0554533-5813921
湯川薫&竹内薫オフィシャルサイト
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://kaoru.to/
著者の運営するサイトです。

『魂のロゴス―宇宙と叡智をめぐる対話』(アルテ)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434028693/qid%3D1068919353/249-0554533-5813921
霊性学入門
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.nct9.ne.jp/mandala/
著者の運営するサイト。圧巻です。

マックスの科学館
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://home7.highway.ne.jp/max-1998/science.html

ここの皆さまにとって、良い出会いとなるものがありますように。

25 名前: シナジー 投稿日: 2003/11/16(日) 09:40
ついでに、首都圏のすてきな本屋さんも紹介しておきます。

ナワ プラサード(西荻窪ほびっと村内)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.nabra.co.jp/hobbit/hobbit_mura.htm

ブッククラブ回(南青山)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.bookclubkai.jp/

出版業界は冬の時代で、良書をそろえた個性的な出版社、本屋がどんどん大手に
押されて消えてしまっているのが本当に残念です。
今回はジャンル的に精神世界に偏ってしまいましたが、ご了承ください。
ナワ プラサードはオーガニックな、ブッククラブ回はクールな魅力をもった本屋さん
ですよ。

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