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回天ー月にふたつあり
- 1 名前： 水戸学ー常陸太田人 投稿日：
2003/03/19(水) 00:24
- 回天という言葉が掲示板にあったので、昔々の水戸藩のことを一言。
大日本史なる修史事業を創めたのが徳川光圀公で、この方、水戸近郊、
今は常陸太田という所に庵を設け、研究をしたというが、当地出身の私
どうもそんな大それた、金食い虫をやるような勇壮な土地気質はないの
で疑って調べたことがある。通説に史記の影響なるものは取らず。
ある時、史ー編纂完成を公自ら、祈念した神社が今の県北部にある
こと知って、調べた所、ここも含めて中部、北部は出雲系祭神ばかり。
その南に出雲の国譲りの剣の鎮座地ー鹿島さまがあり、その西に
イザナギ、イザナミの筑波山あり。これらを結ぶ三角形の天辺あたりに
磯出なる神事あり、五行説の金、水、木を冠した地域を巡りご神体をかつぐ
行幸、コレが７２年に一度、もう１２００年続く。土生金→水でこれが
新しい水ー新たな出雲であります。この理を神事が伝えている。
この配置で氷解。光圀公は金生水の出雲維新を狙ったもので、
所謂皇国史観ー天壌無窮史観的に創めたのではないと目をつけた。
大日本史ー水戸学は出雲史観ではじまって、その第一陣として零落
していた皇室の正統性を証明したが、薬が利きすぎ、原点が忘れられ
てしまった感ある。
光圀公が水戸東方ー大洗磯崎神社で詠んだという歌が残っている。それは
「あらいその岩にくだけて散る月を一つになしてかへる月かな」
月が二つあるのがみそです。
松陰も心酔したとかいう皇国史観―天壌無窮史観は当時の非常時下で
こそ有効で、大権力、大財力を集中せしめた大日本帝国では劇毒であった。
そもそもこの自然界に無窮なるものはない、あるのは始まりと完成の命あるのみ。
私は偶々２０年前に易学に出会って、日本の国体を易の象に問うたこと
がある。易に形を取れば無窮史観がいかに単式的で伝統に反したものか
判然とする。日本は表は単式ー単純な理にも当たらぬことを出しながら
裏面に高度の理を隠して伝えているのです。
回天を心におさめておられる方々、どうか単式マジックにひっかからない
よう願うものです。
- 2 名前： 一目山隋徳寺 投稿日：
2003/03/19(水) 07:01
- 諸国遍歴修行中の一目散隋徳寺と申します。
「水戸と出雲維新」についての常陸大田人さんのご着眼とご発想、
じつに目するべきと敬服いたします。
足で稼いだ貴重な情報誠にありがとうございます。
＞日本は表は単式ー単純な理にも当たらぬことを出しながら
＞裏面に高度の理を隠して伝えているのです。
＞回天を心におさめておられる方々、どうか単式マジックに
＞ひっかからないよう願うものです。
藤原思想をたしなむものの中に、回天と聞いて水戸学流に短絡するものは
ないと考えますが、極東の島国日本の本質を正しく掴み、より普遍性のあ
る回天をはたして行く為には、日本の裏面に隠されている、顕にたいする
密の部分についての理解を深めることはたいへん重要なことではないでし
ょうか。藤原さんの深い日本理解への情熱
常陸大田人さんへの御礼と、皆さんのご参考までに、拙僧が以前、水戸の地
を訪れた際、地元の方から聞き取りした情報をお伝えします。
「水戸の歴代当主の墓所は、仏寺でもなく神社でもない。小山を仕切った墓所に、
歴代当主の夫婦ペアの墓が並んでいる。」
（その後、日の本を出奔し雲水修行に出た為、確認は取っていません。）
似たような話が他所にもあると仄聞しておりますが、どなたかご存じ
のかたはいらっしゃいますでしょうか？
よろしくお願いします。
一目山隋徳寺
- 3 名前： 水戸学ー常陸太田人 投稿日：
2003/03/19(水) 23:40
- 一目山さま ご丁寧にありがとうございます。「お墓」のことですが、
水戸徳川家の墓所は常陸太田市の瑞竜山という山にあります。私の実家からすぐ
ですが墓参りは好きではないのでよくはしりません。もしお知りになりたいのなら、
成美文庫にー水戸黄門（稲垣史生著）あり、この本に説明、写真が載っています。
所謂儒教式だそうです。
興味を持っていただき礼を申します。ちなみにここで触れた７２年に一回の
祭礼行事が３月２６日だかにあります。東金砂神社、又は西金砂神社
で検索しますと案内があります。簡単な五行、易義をわきまえていると、
全国各地で眠れる森の美女ならぬ、眠れる神々がみつかりますが、
吉野裕子さんなどの易ー民俗学では反対にみな蓋をしています。
従って奥の院には到底進めないようになっています。
コレも単式マジックと思います。それではまた。
- 4 名前： 藤原肇 投稿日：
2003/03/20(木) 16:58
- 回天という言葉のために水戸学に迷ったかと心配いただき、非常に有難く思いますがどうか御安心の程を。詳しいことは「ジャパン レボリューション」の記事に譲ることにして、この本の原稿を纏めたときの原題は「日本の回天軸」であり、それを目にした友人の幾人かが同じように心配し、「まさか藤原さんが水戸学派に被れたのでは・・」と冷やかしたが、それはあくまでも冗談混じりの牽制球だった。
第一に「徳川御三家」はどこかという議論をして、水戸家は御三家ではなく欧州の選帝侯に等しいという具合に、「宇宙巡礼」の中で発言している通りで、日本とヨーロッパの歴史には相似形態が読み取れる。この部分は嘘で凝り固まった従来の日本史への挑戦として、ヒントは「夜明け前の朝日」の中にバラ撒いてある。それは大田党と金属資源の関係のことであり、常陸太田さんの指摘にあった東西の金砂神社の存在が、いみじくも、出雲のタタラとの関連を明示しているように、金生水の回天循環の差動環が登場する。これを見ても易の素晴らしさが歴然とするが、それが如何に重要であるかに関しての議論は、「ジャパン レボリューション」の註を読んでからのお楽しみ。
さて、なぜ、水戸家が選帝侯かという疑問に対しては、名前に相応しい責任は確実に果たす必要があり、論理的には名は実と合致しなければならず、「正名論」における天地人の人のレベルにおいて、絶対支配体制を確立した徳川ｋｋにおいて、水戸藩は監査役の任務を付与されたのであった。おそらく、この構想を作ったのは天海と藤原惺窩だろうが、天海が明智光秀と密着して土岐であり、それを徳川光圀はよく知っていたが故に、隠蔽の術を使って後世の蒙昧な学者を韜晦したが、ヒントを常陸大田の名で示したのではないだろうか。
しかも、表の理の世界が日で象徴されるのに対して、裏の情の世界が月によって象徴されており、天に二日がないように地に二王がないが故に、光圀は裏の世界の「二つの月」を和歌に読み込んで、謎解きとして実に痛快な遊び心を生かしている。光圀は本意を隠すために北畠親房を引っ張り出し、「神皇正統記」などという戯書だか愚書を使って、南北朝という二つの月をパロディったらしい。光圀が後世に残した謎解きに挑むためには、藤原俊成に和歌の真髄を伝授されて、百人一首の形で情報隠蔽の醍醐味を楽しんだ、あの藤原定家のインテリジェンスが必要だと思われる。（満月に押し込み強盗の開戦とはと、名月を思いつつ記す）
- 5 名前： 水戸学ー常陸太田人 投稿日：
2003/03/21(金) 21:28
- 藤原様 お目にとまりありがとうございます。
光圀公の歌ですが、南朝、北朝を二つの月と見る見方はチョッと明治的ではないで
しょうか。私は大洗で詠んだということで古代に馳せた、出雲の歌と見ました。
出雲の理はまだ学として体系化されたことがありません。学者、研究者は大抵鹿島��
さんのように、記紀を馬鹿にして外国の模倣文献視してしまうのですが、伝承の深秘は
数詞に込められており、実践で解していくべきもので、この点、密教的なところがあります。
水戸学ー常陸太田人としては、皇国史観ー水戸学と馬鹿にしないで、奥の院に
入って下さるよう願うものです。
水戸の旧藩校弘道館の裏手に、八卦堂なる八角の八卦を造したお堂があります。
水戸学は易学がその根本の教学でした。この易を駆使すれば又別の局面が見えて
きますが、コレは決して今日も無用の理ではないと、信じております。
- 6 名前： ein 投稿日：
2003/03/24(月) 09:20
- 定家のインテリジェンスとは、みちおみのみことに由来する
そえうたさかしまごと もその一つと理解しておりますが、
それ以降はその伝統が途絶え、読み解くロジックを再発見し
なければならないところに我々の醍醐味があるのでせう。
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