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空海の夢
1 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/06/23(月) 06:02
ある企業から国際情勢に関する原稿の依頼があったので、昨日の日曜日に空海について筆を進めていました。その関係でインターネットを使って空海について調べていたところ、偶然ですが『空海の夢』を著した松岡正剛氏のサイトに出会っています。藤原ブッククラスターの皆様であれば、『アメリカから日本の本を読む』の中で、藤原さんが『空海の夢』を高く評価していたのを思い出すことでしょう。その『空海の夢』の執筆に至る経過を、著者である松岡正剛氏自身が以下のページで語っていました。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.eel.co.jp/03_wear/02_selfread/kukai01.html

▼空海の夢
第21談 宇宙に日曜日はない
第22談 科学の天の鳥船
第23談 地面で星を掃く
第24談 砂と森の交代
第25談 意識のエントロピー
第26談 言霊と山の思想
第27談 山河から長安へ
第28談 場所の思想
第29談 言語創出の風景
第30談 円環の覗き穴


空海について言及した本の中に司馬遼太郎の『空海の風景』がありますが、松岡さんが『空海の夢』を執筆するにあたって司馬遼太郎の『空海の風景』を意識していた様子が「第23談 地面で星を掃く」に述べてあり、興味深く目を通しました。

=======引用開始
これから空海を書いていくのにあたり、空海の方法が誰よりも見えるのではないか。司馬遼太郎さんには見えていないもののすべてが、全部見えてくるのではないか。司馬さんは空海の頭のなかの編集構造を書いているわけではなかった。外側から見えるかぎりの風景を書いた。私は空海の内側の風景を書きたい。そう自らに鞭打って、絶対にうまくいくというつもりで書いていくことになるんですね。
=======引用開始


参考までに、国際情勢に関する寄稿の中で、私は以下のように空海を紹介しています。

---------------------------------
一流の仕事、一流の人物を求め、海外武者修業を体験した日本人が他にも大勢いる。そうした海外武者修行を実践した日本人の中で第一級の人物と言えば、やはり真言宗の開祖空海をおいて他はあるまい。空海は最澄と共に804年に遣唐使として唐に渡っており、来年は空海の入唐千二百周年にあたる。空海の唐における修業の様子については、陳舜臣が著した『曼陀羅の人』という小説から、唐における空海の修業の一端を垣間見ることができると思う。日本に戻ってからの空海は八面六臂の活躍であり、後の日本の宗教界・思想界に大きな影響をもたらしたのは改めて述べるまでもない。
---------------------------------

野田拝

2 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/07/17(木) 15:15
上記の国際情勢に関する寄稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。久しぶりにペンを握りましたので、ぎこちない文になりました。

新連載
[おもしろ雑感−日本人への新提言](地理編)「日本脱藩のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html#7

3 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/08/12(火) 16:42
メタサイエンスに関する寄稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。『間脳幻想』のPRもしてあります。

新連載
[おもしろ雑感−日本人への新提言](科学編) 「メタサイエンスのすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

4 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/08/27(水) 09:08
最近の拙稿「メタサイエンスのすすめ」に関連して、1ヶ月前に刊行された『水は語る』(江本勝著 講談社+α文庫)という本をご紹介します。ご参考までに、この本は3年前に成星出版から刊行され同題の新刊書を加筆・改筆した文庫版です。

水については、藤原博士も『宇宙波動と超意識 宇宙と生命の神秘を探る』(砂生記宜・藤原肇共著)でかなりのページを割いて水について言及されていますし、同著の「あとがき」でも以下のように述べておられます。
========================================
 水は地上の生命現象にとって最も重要なものですが、あまりにも普遍的な存在であるために、科学が放置したままにしている巨大な盲点でもあります。それだけに、手探り状態で進まなければなりませんでしたが、お陰で水素結合やプロトン・シンメトリーにたどり着き、ガン細胞の分裂機構や核力によるパラマグネチズムという、学問の最先端領域の雰囲気も垣間見せてもらえました。その上、予想もしなかった成り行きから、私がこれまで敬遠して足を踏み入れたことのない、別棟の言語である音楽の世界の中にまで、共振に関係する音響学や波動理論を通じて関係したのは、全くの驚きと言うより他はありません。
========================================

『水は語る』は、予備知識無しに読むとオカルトものと勘違いする人たちが出そうな本ですが、波動科学というものを十全に理解している藤原ブッククラスターであれば、同書に書かれている内容を「事実」として受け取り、楽しみながら通読できると思います。たとえば、水にバッハやモーツアルトを聴かせたり、「有り難う」という言葉を投げかければ美しい結晶を水は造ってくれます。逆に、騒がしい音楽を聴かせたり、「馬鹿野郎」といった下劣な言葉を投げかければ、醜い結晶を造るのか水です。なお、ご参考までに江本勝博士のサイトを以下にご紹介しておきます。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.hado.com/

同書で最も印象に残った行が以下の下りです。

「微生物の世界では10パーセントが善玉菌、10パーセントが悪玉菌、残りは日和見菌なんだそうです。そこで、善玉菌が勝てば80パーセントの日和見菌はパーッと善玉に向かうし、反対に悪玉が勝と、80パーセントは悪玉になっちゃうそうです。」

上記の下りを読み、バブル景気を引き起こし、80パーセント日和見菌である一般日本人を成金にした元凶である悪玉菌、中曽根康弘を思い出しました。

5 名前: 高麗郷太郎 投稿日: 2003/09/05(金) 05:40
高麗です。野田さんの書いた「水は語る」を手に入れ読んでみました。
一読のち、脳裏に浮かんだのは有名な老子の一節「上善は水の如し」と
孫子の「兵の形は水に象る」。
あたかも、水が生き物のような錯覚に陥りそうですが、そうではなく、
水は鏡のように素直に音楽、言葉に反応したのに過ぎない。
また、水は人間をはじめ、自然界にくまなく恵みを与えてくれる存在。
日本にも水のような政治家が出てくれば応援したいが、所詮叶わぬ夢…

6 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/09/16(火) 15:37
セマンティックス(意味論)に関する寄稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。セマンティックスに関心のある方に一読戴ければ幸いです。

新連載
[おもしろ雑感−日本人への新提言](英語編) 「意味論のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

7 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/09/24(水) 14:14
『The Bedside Years』という題名の本があります。この本は、イギリスのガーディアン紙から私宛てに本日届いた本ですが、先ほどパラパラと捲っていたら以下の面白い「Letter」が目に入りました。上述にある通り、某社のウェブサイトにアップ中の拙稿「意味論のすすめ」でも英国のユーモアを取り上げたばかりであり、その意味でブラックユーモアならぬ“さびのきいた”ガーディアン紙の記事をこれからじっくりと読むのが楽しみです。

==================引用開始
10 May 1979

Sir,
Have things gone too far? My sovereign is a woman; my prime minister is a woman; my boss is a woman; and my wife is a woman.
Yours faithfully,
C. Grimwood
Laughton, Sheffield
==================引用終了

『The Bedside Years』は、藤原博士が仰せの「世界凄い頭脳」たちが、1951年から2000年にかけての半世紀にわたって書き連ねてきた記事の中から、さらに選りすぐられた記事だけを集めたものですから、藤原ブッククラスタにとっては是非とも手許に置きたい本になると思います。ただ、残念ながら英語の本ですので、英語が苦手な人には読み通すのが大変かもしれません。また、市販されている本ではありませんので、書店は無論のこと、アマゾンなどのオンライン書店でも入手不可能です。

それでも、どうしても欲しいという読者は以下のサイトを参照願います。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.culturalpublications.com/guardian_weekly.html

私の場合、20年に及ぶ『The Guradian Weekly』の定期購読者ですので、本来は『The Bedside Years』を入手できないはずですが、たまたま知人の海原波彦さんが最近『The Guradian Weekly』の定期購読を申し込んだらしく、その時にガーディアン・ウィークリー紙の推薦者として野田の名前を書いてくれたようです。そのお陰で『The Bedside Years』を手にすることができた次第でした。海原さん、『The Bedside Years』は私にとって今年最高の贈り物になりました。。有り難うございました。


野田拝


「マンチェスター・ガーディアン」は週に一度の海外版でして、これはフランスの「ル・モンド」と米国の「ワシントン・ポスト」の記事で見落とすことのできないいい記事が転載されていて、非常に読みごたえがあります。「ニューズウィーク」や「タイム」のようにほとんど読むに値する内容の記事のない週刊誌を、日本の評論家やジャーナリスト達が読んでいるから駄目でして、あんなものの購読をやめて、「マンチェスター・ガーディアン」に切り替えたら、日本のジャーナリストの国際情勢に対する問題意識は10倍くらいよくなるのではありませんか。ただ、ビジネスマン向きではありませんので、アカデミーの世界の人々も、゜マンチェスター・ガーディアン」を読むことで、世界には凄い頭脳が健在だということを、毎週確認したらいいでしょう。

『日本脱藩のすすめ』藤原肇著 東京新聞出版局 p.149
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://dappan.hp.infoseek.co.jp/dojo/agora/link.htm

8 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/10/14(火) 16:08
音楽に関する拙稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。フリーメーソンに関心のある方に一読戴ければ幸いです。


おもしろ雑感(音楽編) 「クラシックのすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

10 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/11/13(木) 04:30
漢文・漢詩に関する拙稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。中国古典、特に『道徳経』に関心のある方に一読戴ければ幸いです。


おもしろ雑感(古典編) 「漢文・漢詩のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

11 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/12/16(火) 19:13
国際政治に関する拙稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。国際政治に関心のある方に一読戴ければ幸いです。また、ホームページ【宇宙巡礼】のPRも行っています。

おもしろ雑感(政治編) 「国際政治のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

12 名前: 海原波彦 投稿日: 2003/12/16(火) 20:12
□■□搾取から身を守る法

野田さんの記事、興味深く拝見させていただきました。

私自身は欧米へは一度も行ったことすらなく、ましてアングロサクソン-ユダヤの密約については知る由もありません。
ただし、確かに、国際ヘゲモニーらしきものが形成され、日本、アジアが引き続き組み込まれ続けているという感覚はあります。

そこで、その搾取的な体制から身を守る方法について提案してみたいと想います。

まず、搾取的な機構がもっとも扱いやすい獲物、家畜は、集団心理によって動かされる人々です。こうした人々は、情報の操作によっていかようにも、動かすことができます。
それから身を守る方法は、まずテレビは出来るだけ見ないようにすること。
ワイドショーはほとんど悪質な見せ物です。ニュース番組もあやしいかもしれません。
いずれにしろ、この情報化時代、情報は耳を塞いでいても入ってきますので、わざわざテレビをつけて見る必要はないでしょう。
新聞も眉に唾をつけて読む。朝という貴重な時間を費やして、食らいつくように読む必要はなく、夜、適当にめぼしそうな記事を拾い読みするくらいでよいのではないでしょうか。
日本の新聞は、実は権力、その他諸々の勢力と取引しながら作られているようです。名刺を見せれば丁重に扱われる記者も、新聞社をやめてしまえば、「タダの人」となってしまいます。労働の市場に流動性がないので、一度、記者をやめてしまえば、大手マスコミへの再就職はほとんど不可能です。勢い、サラリーマン記者化が進むわけです。

その代わり、良い書籍を熟読し、インスパイアーされたものを掘り下げて研究する。

外国のクオリティ誌を購読するのも良い方法でしょう。例えばガーディアン誌など。中国やインドの記事はたまに出てくるけれど、経済以外では日本の記事などほとんど出てきません。欧米人の目から見れば、いかに日本は取るに足らない、局地的な地域であるかということも実感できます。

生活もできるだけ自立する。できれば最低限の食糧とエネルギーは自給できるようにする。これからは田舎に住んで、家庭菜園と自家発電(風力発電など)をやりながら、知識集約型の仕事に携わる、といった生き方が理想かもしれません。
現在はインターネットとメールがあるので、こうした働き方は十分に可能でしょう。
こうしておけば、食糧やエネルギーが止まっても、あまり関係なく、好きなことができますし健康にも良さそうです。

国際ヘゲモニー的な存在が提供するものは適当にお付き合いしながら利用させてもらう(上手に利用すれば、有用なものはたくさんあるでしょう)。
でも基本的な部分(情報、食糧、エネルギー)は、きちんと自分でつかんで管理しておくことが肝要と思います。

13 名前: 野田隼人 投稿日: 2003/12/17(水) 18:13
海原様

コメント有り難うございます。なお、故岩城淳子教授の著した『国際寡占体制と世界経済』については、今から2年半前に道場メンバーの一人が素晴らしい書評を行っています。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.melma.com/mag/31/m00019631/a00000005.html

今回は裏世界に関連する内容であったため、あまり突っ込んで書くわけにはいきませんでした。次回お会いした時に情報交換できればと思います。今後とも宜しくお願い致します。

野田拝

14 名前: 大久保利剣 投稿日: 2003/12/17(水) 19:32
戦前戦中の日本でも随分とユダヤ金融資本禍論は盛んだったようです。
日米戦争を大正8年だかに「予言」した友清歓真という神道家は全6巻の全集を
残しましたが、彼のいう戦争の大義というのがこのユダヤ資本との戦いでした。
もとよりあからさまに公的にその旨宣言はできないでしょうが、この種の空気は
戦前には濃厚であったと思われます。
すでに日本はこの頭のいい人たちと戦争をして、大敗北しているということを
忘れないようにしたいものです。

15 名前: 高麗郷太郎 投稿日: 2003/12/20(土) 05:02
ユダヤ陰謀説・ユダヤ金融資本禍論・フリーメイソン……と、ユダヤをキーワードとした話題に出会うことが多いが、次のフリーメイソンを取りあげた電脳が叩き台として面白い。
【ロックフェラー家から鳩山家まで フリーメイソンの世界】
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.akashic-record.com/y2002/fmason.html
【会員相互の扶助と友愛を目的とする秘密結社(コミュニティ)】
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www009.upp.so-net.ne.jp/artrandom/community/04-011.html

16 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/01/14(水) 17:22
幾何学に関する拙稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。幾何学に関心のある方に一読戴ければ幸いです。


おもしろ雑感(数学編) 「幾何学のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

17 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/02/16(月) 15:31
新生命観関する拙稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。新生命観に関心のある方に一読戴ければ幸いです。ちなみに、過日の西原克成博士の著した『内蔵が生みだす心』が主テーマです。

おもしろ雑感(生物編) 「新生命観のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

18 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/02/16(月) 20:08
上記の「新生命観のすすめ」は書評がカットされていましたので、以下に掲載致します。

【書評】
『ミトコンドリア・ミステリー』(林純一著 講談社ブルーバックス)

生物編である今月号ではミトコンドリアを取り上げる予定でいたが、西原博士の『内臓が生みだす心』との衝撃的な出逢いがあったため、ミトコンドリアについて多くを言及できなかったのが悔やまれる。そこで、ここで簡単に『ミトコンドリア・ミステリー』(林純一著 講談社ブルーバックス)を紹介させていただくことにより、筆者がミトコンドリアを取り上げたかった思いの一部を述べることができればと思う。ちなみに、林氏の『ミトコンドリア・ミステリー』は、講談社の科学出版賞(平成十五年度)を受賞した本であることを記しておく。

ミトコンドリアについての一般知識を身につけたいというのであれば、『ミトコンドリアと生きる』(瀬名秀明・太田成男共著 角川書店)、あるいは『ミトコンドリアはどこからきたか 生命40億年を遡る』(黒岩常祥著 NHKブックス)などを取り上げた方が本当は親切なのかもしれない。それでも敢えて本書を取り上げたのは、『ミトコンドリア・ミステリー』を通じて、筆者である林純一氏の研究者としての姿勢に、野武士的なものを読者に嗅ぎ取って欲しかったからである。ちなみに、筆者は今回の『内臓が生みだす心』の西原克成博士のように、我が道を行く野武士的な生き方を貫く科学者に共感を覚える人間であることを告白しておく。

無論、『ミトコンドリア・ミステリー』から伝わってくるのは、林氏という一研究者の持つ清々しい生き様だけではない。林氏の研究が今後のミトコンドリアの研究に大きな影響を及ぼすことが予想されることから、そうした林氏の研究内容を知るだけでも一読の価値はあると思うのである。すなわち、ミトコンドリアDNAの突然変異のために癌になるというのが、従来のミトコンドリア研究者の説の主流を成していた。そうした従来説を林氏が完膚なまでに打ち砕き、ミトコンドリアDNAが癌の原因ではないことを実証してみせたのである。また、老化が起こるのはミトコンドリアのためと専ら信じられているが、この老化説も林氏は実験によって完全に否定しただけでなく、同時に「ミトコン ドリア連携説」という独特の林説を提唱されたのである。

ともあれ、科学の分野に限らず、日本という環境下では主流となっている説に異論を持ち出すのは非常に勇気の要ることであり、そのために干されることも少なくない。それでも敢えて自説を曲げず、従来の主流であった説を覆した林氏に心から拍手を送りたい。

19 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/03/11(木) 05:10
松岡正剛氏の著した『空海の夢』は、藤原博士の『アメリカから日本の本を読む』の中で賞賛された数少ない一冊です。その松岡正剛氏が、空海の入唐1200年を祈念してビデオを制作しました。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.eel.co.jp/03_near/01_seigowchannel/index.html

***********************************************
空海入唐1200年記念制作
松岡正剛のマルチアーカイブビデオ『蘇える空海』
4月末日まで、特別価格9,800円(税別)で発売中!

1200年前、日本で最初の国際人として活躍した巨人がいた。いまなお人々の心に生き続ける弘法大師空海。その生涯と思想を、古今東西の知の統合に挑む松岡正剛が、豊富な映像と資料を駆使して、いま蘇えらせる。
私たちはどこから来てどこへ行くのか。
空海はそのことを問い続けました。
そして、アジアの流砂と南海を越えてやってきた
密教によって、新しい「母国」を築こうとしたのです。
空海密教、
それは母なる国の大地であり言葉なのです。
                      松岡正剛


【コンテンツ】 上巻:「五大に響きあり」(54分)
■ 第1章 アジアに結ぶ密教
天才少年「真魚」が大学を捨てて山に入ったのはなぜか。若き日の空海のなかに結晶化していく真言密教の世界観と全アジアの仏教の動向。
■ 第2章 五大は対応する
万物がつながりあうという密教の考え方は今日のIT社会を先取りしていた。空海はそれを人間存在の哲学にまで発展させた。
■第3章 密教の背景
なぜ曼荼羅は金剛界と胎蔵界の二つの世界が一対になっているのか。大日如来を中心とする密教宇宙構造を、映像アーカイブによって解説。


下巻:「三密に加速する」(55分)
■第4章 空海の密教構想
長安で国際人の感覚を身に付けた空海が、いよいよ日本で独自のプロジェクトを立ち上げていく。その驚くべきマスタープランとは。
■第5章 「めざめ」のために
人間の意識と精神の未来のために、空海が著した『秘密曼陀羅十住心論』。空海はまた天才的アーティストであり書家でもあった。
■第6章 加速する空海
空海の説く「即身成仏」とは何か。空海が見つめた「三密」とは何だったのか。そして、空海が21世紀の日本に残してくれたものとは。

20 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/03/16(火) 12:30
古代史研究に関する拙稿がアップされましたのでお知らせ致します。古代史に関心のある方に一読戴ければ幸いです。ちなみに、藤原博士の知人である木村愛二氏が著した『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』について、古代史と絡めて簡単に【書評】で紹介しました。

おもしろ雑感  第9回(歴史編)「古代史研究のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

21 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2004/03/16(火) 16:05
野田さんがお書きになった おもしろ雑感 第9回(歴史)「古代史研究のすすめ」を拝読。古代史は私も興味のあるところであり、今を生きる我々に何かインスピレーションを与えてくれます。
 さて、野田さんの投稿記事の中にシュメール文明、バビロンの事を述べられていましたが、これについて少しコメントを指して頂くと最近東明社から出版されている橋爪一衛氏の「松果腺・宇宙心とのアンテナ」「一二三はらで行く」の中に書かれている氏がイラクに行って霊現象を体験しバビロンの遺跡から三体の粘土像を持ち帰り天から聞こえくる声を書き連ね、それを本にしたものらしいですが私が興味深いのは著者が日月神示のことを触れておられるからです。これは脱藩道場でも推薦されている本の一つ「隠されている「秘教」の実体」の中に日継神示、火水伝文の予言が述べられており「財界にっぽん」の大本氏との藤原博士の対談記事ともそれとなく繋がっていくような気がするんですよ。「間脳幻想」の第二部 脳と地球のアナロジー、生命の中心「視床下部と副腎」、は第三部の自然と文明を統一する原理
へと導く布石と考えれば前回の脱藩道場総会における博士の発言「このイラク戦争で連中は「間脳幻想」の世界についには到達するのではないでしょうか。」を思い出しました。私のこじ付けかもしれませんが。

22 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2004/03/16(火) 16:09
文賞がおかしくなっています。最近東明社から出版されているではなく最近読んだ東明社から出版されているの間違いでした。すみませんでした。

23 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2004/03/24(水) 00:33
野田さんの投稿記事の中で紹介されていた鹿島昇氏について少しお話しておきたいと思います。鹿島氏は「桓壇古記」を解明し、多くの政治家や財界人、大学関係らが賛助・推薦をし芳名を残されましたが最もインパクトのある本は天皇問題のタブーを破った「裏切られた三人の天皇」だったと判断しております。またこの本について出版元の新国民社の知人のスタッフにいろいろ質問した事がありますのでそれに纏わる話を一つ紹介。何と言ってもあれだけのタブーに挑戦したことで右翼をはじめ様々な団体から脅迫や嫌がらせを受けたでしょうという私の問いに対し、彼曰く「全く無かったよ。そればかりか右翼を名乗る白髪着物姿の老人がやって来て「裏切られた三人の天皇」を百冊買っていった事があった(笑)。鹿島はとにかくハンパじゃなく徹底するのであそこまでやり切ると右翼やヤクザも一目置き存在を認めていたのではないか。それに藤原さんが本の書評を書いてくださったのは有難かった。新国民社から藤原さんの本を一冊歴史がらみで出そうという話題になったことがあるよ。ただ藤原さんは歴史より経済分野の本をやられていたように思えたのでその話はお流れになりましたけれもども。・・・」
鹿島氏の本は書店に山積みされて誰でも知っていた部類ではないのも理由の一つかも知れないがとにかくいつの時代でも本物はどこかに存在しておりその一方で偽者が跋扈するのが世の習いなのでしょう。ただ例えどんな社会状況においても何かを成し遂げる人、それを評価する人という具合にいい価値や伝統を後世に伝えていく動きが健在である限り未来は切り開けられるのでないだろうか。主義、主張が異なっても本物は人間から万物に至るまその生命の根源としての魂を通じてモノを見据えるが故に本物の証であろうから。

24 名前: 佐藤 投稿日: 2004/03/25(木) 10:19
鹿島氏は、残念ながら2年前に亡くなり、新国民社は、長男が引き継がれました
が、その長男が、昨年会社を閉鎖されたと思います。ご指摘の、「裏切られた
3人の天皇」を数回読み直しましたが、その最初の衝撃は大変なものでした。
右翼、暴力団からの脅迫が何故なかったか、しかも東京弁護士会会長も歴任し
た人物が、さる大暴力団の跡目を頼まれたのです。氏は、丁重に断ったそうで
すが、その様な人脈の関係で、右翼等からの脅迫がなかったと言うことです。
「3人の裏切られた天皇」は、全国民必読の書だとおもいますが、読まれたら、
天皇への見方が、一変し、日本の政治体制も変わるとおもいます。

25 名前: 藤原 投稿日: 2004/03/25(木) 12:58
鹿島さんが亡くなる三日前に東京で会い、彼にバイアグラは毒だと警告して、アメリカに戻ったら彼の死の連絡がありました。残念です。
新国民社は番頭に乗っ取られたと聞いています。

26 名前: 鈴木 投稿日: 2004/03/26(金) 22:24
同じ著者、出版社から出ている「明治維新の生贄」もお勧めです。
外国人の著名な日本研究家(?)がほぼ同時期に大著
「明治天皇」を刊行していますが、興味深いですね。

27 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2004/03/27(土) 00:15
佐藤さん、鈴木さん、藤原博士返信有難う御座います。鹿島氏の本に関連したネット上で旧士族の流れを組むと見られる方の論文記事を紹介します。まだ氏の本を読んでいない人には参考になるでしょう。http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www8.ocn.ne.jp/~shizoku/meijitennou.htm

28 名前: 柴涼一 投稿日: 2004/03/27(土) 08:54
ほかのスレッドの話題にでていた映画のやんごとなきお方は、例のカイゼルひげ
を蓄えた、馴染み深いほうのお方として描かれていた。

29 名前: 尾崎清之輔 投稿日: 2004/03/28(日) 01:06
鹿島氏の著作は数冊ほど読んだことがあり、初めて手にしたのは「裏切られた
三人の天皇」だが、そのとき受けた衝撃については今も忘れられない。
一読した際は右翼から攻撃を受けたのではないかと思われる内容ではあったが、
上記の幾つかで成る程と思ったと同時に、1年ほど前に読んだ本の内容を思い
出したことから折角の機会なので書棚から引っ張り出してみた。
「三島由紀夫、あるいは国際金融資本の闇」というサブタイトルが付いている
「神々の軍隊」(濱田政彦著 三五館)は、自衛隊の市ヶ谷駐屯地で最後を
遂げた三島と、二・二六事件で散った青年将校達を下敷きに、明治後半から
大正、昭和初期そして第二次世界大戦を経て敗戦直後に至るまでの、大財閥と
新興財閥、また陸軍統制派と皇道派との相克を主に描いているが、これらは
いずれも国体護持を隠れ蓑にした勢力争いの一環に過ぎないことを述べており、
更にその裏には国際金融資本の影があったことについても看破している。
また、著者は民族神話の重要性についても記しているが、これは各民族が持つ
神話が単なるミランダのみならず、その背後にある自然観や宇宙観に通じて
いくことで、民族の違いを超えた普遍性を持つに至る可能性を説いているのに
対して、「貨幣神話」という、当時もそうであったが、現代においては増殖を
続けることですっかり浸透しきったこの神話には、このような開かれた体系が
存在しないことから、社会の荒廃とその後に迎える崩壊の危機を痛切に感じて
いる。
そして著書の最後の方には興味深い脚注と当時の人名索引も存在しているが、
ここでは次の部分を引用させて頂くことにする。

************************** 引用開始 **************************

例えば橋本欣五郎は、革命に際してもし天皇が言うことを聞かなかったら、
銃で脅してでも言うことをきかすか、あるいは天皇を追い払って代わりを
連れてくればよいとすら考えていた。時の権力体制が、天皇神話を統治の
道具としていたなら、逆に反体制勢力は、反天皇神話、すなわち古事記に
よって示される天皇家の正統性に疑問を投げかける神話を持つ宗教勢力を
味方に抱き込むことで、その教義を以って正当な「玉」とし、来るべき
新体制を運営しようとしたのではなかろうか? その際に玉の入る入れ物、
すなわち、「体」は、戦後の熊沢天皇騒ぎではないが、どこからか連れて
くればよいのである。これは一見ダーティーなやり口だが、天皇を統治の
道具としか見ない明治政府の元老たちが、天皇霊を国家の「玉」に据える
際に、「体」を探し回ったことを思い起こせば、こうしたことはいつの
時代でも行われる一つの権力闘争に過ぎないことがわかってくる。

************************** 引用終了 **************************

尚、「貨幣神話」と言えば、既に以前から幾つか紹介のある坂口三郎さんの
「戦争廃絶の理論」がやはり名著ということになるが、これについては
主題とはやや異なってくるので、また改めて述べさせて頂きたい。

30 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/04/12(月) 17:45
日本語に関する拙稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。日本語と絡めたメタサイエンスの話に関心のある方に一読戴ければ幸いです。


おもしろ雑感(国語編) 「コトバの原典のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

31 名前: 藤原肇 投稿日: 2004/04/22(木) 00:23
「財界にっぽん」の五月号に出ると期待していたのですが、紙代が工面できないので掲載を見合わせたそうで、池口和尚との空海と錬金術に関しての対談は、活字にならなくて残念だったので、社長と交渉した結果六月号から連載になります。
大学を中退して彼流の脱藩を実行した空海が、山の中で修行した謎に満ちた空白の期間に、一体どこで何をしていたかについての考察は、空海が渡唐して1200年目に当たる今年の話題として、きっとタイムリーなものになると思います。

32 名前: 亀山信夫 投稿日: 2004/04/22(木) 09:16
空海と錬金術と言えば、文字通り『空海と錬金術 金属史観による考察』(佐藤任著 東京書籍)という題名の本があります。菩提寺の近くに地元飯能市の市立図書館があり、何故か田舎の図書館であるのにも拘わらず、そこそこの空海関連の書籍を揃えているのが不思議です。実は佐藤任の本もこの図書館で出逢ったのであり、二回くらい借りた記憶があります。空海と錬金術を結びつけた本は数多ありますが、主題として取り上げたのは同書が最初かもしれません。ただ、残念ながら絶版本です。

ちなみに、近くの私の菩提寺は観音寺と云い、真言宗のお寺です。


ホームページ【宇宙巡礼】管理人・亀山信夫

33 名前: これ、食うかい? 投稿日: 2004/04/26(月) 01:20
どこにいてもそうだと思いますが、外国に居て悩ましいことのひとつに、ビジネスレターの作成があります。用件を簡潔に記すことは勿論重要ですが、欧州の場合、英語であっても、フランス語やドイツ語であっても、できるビジネスマンのレターにおいては、短い文章の中に洗練された、エスプリの利いた一言、ワンフレーズがさりげなく盛り込まれており、これが書き主の人柄や思想を感じさせ、文末の自著(サイン)と相まって、絶妙な効果を生み出します(日本でいえば、巻紙に達筆の毛筆で認められた手紙をもらうことに匹敵するのでしょうか?)。日本では、社員を評価する際には、社内における肩書きや地位を最も重視しますが、こちらでは必ずしもそうではなく、絶妙な会話で相手を笑わせ、引き込み、感心させたミーティングの後、レターでフォローアップすれば、地位の上下や肩書きの有無に関係なく、相手と信頼(ビジネス)関係を築く道が開かれます。

よく政治家の生涯を記念した展示会などにおいて、その政治家の往時の文書類が公開されることがありますが、ここぞ、という難局の打開を目指して、その政治家が政敵などに送った文書を読むと、明哲な論理を下敷きに、その政治家の信念や信(心)条がにじみ出た文体に、感激することが少なくありません。1960年代までのアメリカにおいても、この傾向が保たれていたと思うのですが、80年代あたりからあまり含蓄のある文書が書かれなくなったように感じます。ちなみに、今のブッシュ政権などにおいては、このような知的な傾向は望むべくもないでしょう。

武力や腕力ではなく 筆、あるいは言葉(手紙、演説)を通じて相手を説得する、外交を行う、という伝統、気風は、空海が活躍する少し前の時代、唐の創建に活躍した 魏徴 が、今なお続く混乱を収集すべく都 長安を出発し、東方宣撫でる際に自らの心情を記した「述懐」(唐詩選において巻首に掲載)において、
『策を杖いて天子に謁え 馬を駆って関門を出ず
纓を請うて南粤を繋ぎ 軾に憑って東藩を下さん』
(馬のむちを杖に、唐の天子にまみえ、東方宣撫の大任が聞き届けられたおのれは、馬を駆けらせつつ、ここ函谷関の門を出て行くのだ。聞けば昔、漢の終軍と呼ばれた人は、武帝の命を受けて南粤に使者となって出向くにあたり、「天子の冠の長い纓(ひも)をいただき、それで南粤王を縛り上げて帰りましょう」といったよし、「漢書」の終軍伝にその話が記されているし、また、「史記」の酈生伝によれば、酈食其が漢の高祖の使者となって斉の国に赴いたとき、軾、すなわち車の前の手すりにもたれたまま、武力を用いず、舌先三寸で王を説き伏せ、やすやすと斉の七十余城を攻め落として東なる藩臣と称せしめたという。
この二人の功績にあやかり、おのれもまた、誓って山東の強敵を説き伏せ、みごとこれを唐に帰順させてみせよう。)(朝日文庫 唐詩選 一 高木正一著)心情を吐露しており、感慨深いものがあります。
さて、話を空海につなげますが、

延暦二十三年八月に空海一行を乗せた船は福州長渓県の辺境の地 赤岸鎮に着くわけですが、ここは文明から程遠い地で、言葉もろくに通じず、結局さらに二ヶ月かけて船旅を続け、ようやく福州に到着。一行の代表で大使の藤原(!)かど野麿が福州の観察使に対し3回に渡って上陸(入国)許可を求める文書を出す(今で言えばさしずめ入国査証、ビザ交付の為のアプリケーションのような感じ?)わけですが、先方の信頼を得ることができず、事態は一行に進展しません。

34 名前: 佐藤春彦 投稿日: 2004/04/26(月) 13:21
<これ食うかい>さんの発言には懐かしい印象があったので、苦労して調べたら、この文章論に出てくる話を読んだように思ったのは、「経世済民の新時代」の第六章の記事と注だったと分かりました。勉強しているかどうかをテストしてくださったのでしょうが、先輩、もっと分かりやすいヒントをくれないと、出典を見つけるのにとても時間がかかってしまいます。ああしんど。

35 名前: いただきます 投稿日: 2004/04/27(火) 07:31
博士が引いた赤線入りの『唐詩選』。私の宝物である。

36 名前: 亀山信夫 投稿日: 2004/04/28(水) 07:54
今週発売された『財界にっぽん』に「若き日の修験者・空海のコスモロジーと錬金術(上)」が掲載されていました。『空海と錬金術』(佐藤任著 東京書籍)に目を通して空海と錬金術との深い繋がりをさらに探求し、松岡正剛氏のビデオテープ「蘇える空海」を見て立体的に空海を捉えるのもいいかもしれませんが、それよりも実際に高野山に出かけて辺りの自然を観察した方が遙かに素晴らしいと思います。


ホームページ【宇宙巡礼】管理人・亀山信夫

37 名前: ナニワのダルマ 投稿日: 2004/04/28(水) 16:07
今週発売された「財界にっぽん」はまだ拙宅に届いてはいませんが、私はこの連休を生かしてある人の薦めで高野山・奥の院地下一階に行く予定です。なんでもそこはスライドになっていて心が曇っていないときは弘法大師が見えるとか。行楽シーズンはいつも人々とは逆の方向に進み行く当てがない時は静かに本でも読んで休みを過ごしてしまいます。まさか高野山は人が少ないと思うのですが
多いと聞けば延期になるはわたくしの性分からして必定(笑)。

38 名前: 藤原肇 投稿日: 2004/05/01(土) 16:56
亀山さんが指摘した「空海と錬金術」はその後書き改められて、「空海のミステリー」〔出帆新社〕と言う題で本になっており、これは書店に頼めば手に入ります。
昨年も春の河内長野に佐藤さんを訪れましたが、今年も脱藩道場の後で西下して佐藤さんに会い、空海と錬金術に関して歓談しました。佐藤さんとの話は次号に紹介してあります。

39 名前: ナニワのダルマ 投稿日: 2004/05/05(水) 19:11
5月の4日と5日の休みを使って高野山に行って参りました。小学生のときの林間以来でなつかしくもありましたが成人してからの印象とはいろいろな意味で違いがあり楽しかったです。
また、亀山さんと藤原さんが紹介された佐藤さんの本ですが当日大型書店で一冊残っていたのを
入手し宿坊で特に興味が湧く章から数章読みましたが私にはかなり難解な本との印象を受けました。ついでに申し上げておくと宿坊でスタッフに佐藤さんや池口さんの事について2,3質問するとよくご存知のようでした。たまには山歩きをするのが身体にとっても脳にとっても如何に素晴らしいかをあらためて確信した小旅行でした。

40 名前: 検討中です。 投稿日: 2004/05/06(木) 18:36
亀山さんとはメールで3〜4度話をしたことがありますが、投稿は初めてです。

高野山 ! ! いいですね。4年前にはじめて行きました。きっかけは親が亡くなり仏教行事が続いたため、仏教に親和感らしきものを持ったことでした。若い頃はインドへ行ったり、松岡正剛の「空海の夢」や道元に関する本を読んだ程度で、特別な関心とまではいきませんでした。むしろキリスト教の大聖堂の荘厳さからそちらに関心が行ってましたが、年とともに仏教や道教に本質的なものを感じます。

私は旅が好きで、世界各地の聖域、聖所を一般の方より巡礼していると思いますが、その中でも高野山は特別な聖域として感じられました。京都と違って、建物が小振りですが極めて美しい工芸品に仕上がっていて好感を持ちました。

関連して、私の好きなCDを紹介します。

喜多朗の「Sacred Journey〜空海の旅」。題名通り仏教的センスのCDです。喜多朗調のメロウな音楽にはあきていたのだが、これは良いです。何よりも喜多朗自身がジャケットの中で語っているように、戦争は外的要因で起こるものではなく、内在する一人一人の人間の心が生み出すのだという思想と同時に、戦争を繰り返す人間のバカさを慨嘆する心情がアルバム全体を覆っています。かなり力が入っているようです。仏教の中でも特に空海の思想をイメージし作曲されただけに一貫した表現が感じられます。はじめて聴いた時は、背筋にゾクッとするものを感じました。日本各地の寺の梵鐘の音や般若心経の読経なども効果音として入っており、清々しい気分になります。

「The wars of the world don't come from outer space. People create them,people who have a war within themselves. I want to create music that eases that war within.」(喜多朗)

司馬遼太郎の『空海の風景』も読んでみたいですね。

41 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/05/11(火) 15:09
国際経済に関する拙稿がウエブにアップされましたのでご報告致します。メタサイエンスと絡めた経済の話に関心のある方に一読戴ければ幸いです。


おもしろ雑感(経済編) 「国際経済のすすめ」
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

42 名前: ヒロイエ 投稿日: 2004/05/12(水) 08:51
野田さんの投稿をいつも読んでおりますが、
藤原さんのコンセプトでポイントは
ホロクスミックスとMTKダイヤグラムでしょう。

ところで、MTKダイヤグラムの概略はよく掲載されますが、
その基本論文は、東明社より出ている、 虚妄からの脱出 の巻末に
掲載されています。

もう一度、ホロクスミックスとMTKダイヤグラムの論文を
多くのかたがすでに行っているとは思いますが
論文から読み直すことを提案します。

将棋面さんとの対談のなかに、一次資料に当たることが重要という言葉が
あったと思います。確か歴史についてはと断りがついてい
たとは思いますが、、、

となれば野田さんの原稿についても、その出所があってもよいと思うのです。
新しく参加された方は、ぜひ論文を読んでみてください。
とても30年前の論文とは思えない、斬新なもので
読み応えはあります。

蛇足ながら、同書には、ブレジンスキー補佐官(当時)への公開質問状も
掲載され、日本の今後への警鐘がかかれています。

43 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/06/01(火) 12:43
数日前に拙宅に届いた『財界にっぽん』の藤原博士の対談記事に目を通し、「空海二度渡唐説」の下りを興味深く読みました。十年以上前に陳舜臣が著した『曼陀羅の人』を読んだことがありますが、唐に渡った空海は唐語に全く不自由しなかったという記述を読み、大変驚いたことを思い出したものです。私自身も若い頃に海外に渡ったこともあり、当初は言葉で苦労したことがあるだけに、最初から言葉で苦労しなかったという空海は唐に渡る前に徹底的に唐語を学びマスターしたと考える他はなく、自分のような凡人と違って流石は空海は天才……とすら思っていたものでした。しかし、改めて「空海二度渡唐説」を読むと、空海が唐に渡る前の空白の7年間が結びつき、もしかしたらその空白期間に唐に渡っていた可能性があると思うに至ったのは収穫でした。ご参考までに、今月号には佐藤任さんが登場していますが、以下は佐藤さんのホームページであり、藤原博士と「空海二度渡唐説」について語り合った当時のことが書かれていましたので参照願います。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.houzenin.jp/ronbun/2/

蛇足ながら空海関連の展示会についてのサイトを以下にお知らせ致します。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.mikkyo21f.gr.jp/info_tenjikai.html

44 名前: 藤原肇 投稿日: 2004/06/03(木) 13:23
野田さんが#43で見つけてくださった佐藤任さんのHPのアドレス、私も知らなかったのでとても役に立ちました。どうも有り難う御座います。
今年は空海の唐への公式訪問1200年記念の年であり、空海が再度渡航しているという仮説に対して、皆さんの活発な議論を大いに楽しみにしています。

45 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/06/04(金) 12:56
論文には佐藤任さん以外に、東寺派の福生山宝善院という神奈川県平塚市にあるお寺の住職である松下隆洪和尚の論文も含まれていました。そして、ホームページも佐藤任さんのではなく福生山宝善院の住職の所有のようです。過日ご紹介したのは佐藤任さんご本人の「空海二度渡唐説」と題した論文でしたが、その他にも以下の佐藤任さんの論文があります。

■空海二度渡唐説(続)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.houzenin.jp/ronbun/3/index.html

以下は、空海二度渡唐説(続)と断り書きがありますので、佐藤さんの論文でしょうか…。
■鎮護されざる国家への道
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.houzenin.jp/ronbun/4/index.html

なお、以下は福生山宝善院の住職である松下隆洪和尚の論文であり、五部構成になっています。
■弘法大師『二度渡航説』
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.houzenin.jp/ronbun/1/2do1.html

それ以外に、以下のような面白そうな論文もあります。筆者は劉玉新さんといい、山東省東阿県出身のようです。
■魚山曹植墓
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.houzenin.jp/takuhon/index.html

さらに、以下を開けば般若心経を聴くことができます。
■般若心経
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.houzenin.jp/kyou/index.html

46 名前: 藤原肇 投稿日: 2004/06/08(火) 03:23
「空海の間脳幻想について」
今年は空海が渡唐して1200年目だということもあり、空海について池口和尚との三回にわたる対談をまとめ終えた段階で、「性霊集」を読み直したいという気持ちになった。私は似たテーマの本を数冊ほど同時に読むという癖があり、今回は久しぶりにA「空海の夢」,B「空海の風景」,C「曼荼羅の人」を並列方式で読み、いわゆる直列方式から離れて読書を試みた。結論だけ書くとこれまでの評価はABCの順だったが、今回の並列方式の読書の結果はCABになったのであり、十数年前は「空海の夢」に強い印象を受けたので、「アメリカから日本の本を読む」にも書評したのだった。今回の再読を通じてCにはインテリジェンスの面白さを感じ、Bはあくまでもインフォメーションの本だと思い、Aはその中間だという印象を強くしたことが興味深かった。(このヒントを叩き台に議論が賑わって欲しい)

47 名前: ナニワのダルマ 投稿日: 2004/06/08(火) 14:27
「財界ニッポン7月号」の池口さんの話に・・・「密教では宇宙の実相を仏格化した根本仏であって、永遠不滅で完全無欠を事徴して白光に輝く、大日如来の慈悲性を体現しているのです。」・・・とありますが一説には人間には皆光を持っていて見える人には見えるという。ちなみに光の色は意識のあり方によって変わるらしく上から順に大別すれば青白色・白・黄・赤・緑・褐色・黒となり宇宙波動と一体化した人の光は青白色だそうで逆に妬み嫉み憎しみ強欲に支配されている時は黒ずむらしい。最も光の色は人種・民族の違いは関係なく各々の霊的発達度に基づくとされる。

48 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/06/15(火) 19:04
日本脱藩に関する拙稿がウエブにアップされましたのでお知らせ致します。お陰様で一年間続いたシリーズも今回をもって終わりました。一年間、有り難うございました。

野田拝

おもしろ雑感(最終回) 「再び日本脱藩のすすめ」(総編)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

49 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/06/24(木) 13:55
本スレッドのNo.39で、ナニワのだるまが5月の連休に高野山に行って来たという報告を読み、心底羨ましく思ったものです。和歌山県田辺市の南方熊楠の例を持ち出すまでもなく、高野山は自然の宝庫とも謂うべき聖地ですね。私は高野山には過去に一回しか行ったことがありませんが、いまでも彼の鬱蒼とした高野山の樹海が脳裏に浮かびます。

さて、本日の『東京新聞』に興味深い記事が載っていました。一読して皆様にも是非紹介したいと思い、オンライン版『東京新聞』を調べたら、以下のURLにアップされていました。関心のある方は一読するといいかもしれません。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20040624/mng_____thatu___000.shtml

上記の記事の中から、印象深い個所を以下に引用しておきましょう。
****************************************************************
冬の「新月の木」は腐らず良質で長持ちする家を建てることができる…。
月が満ち欠けするサイクルに合わせて木を伐採する伝統的な手法が林業
関係者や研究者から注目されている。
****************************************************************

ここにも、自然の摂理を見出す思いをしたものです。

木といえば、高名な宮大工・西岡常一が著した『木に学べ』(小学館)という本を思い出します。その本から、人間同様に木にも個性があることを私は教わりましたが、木にとっての第二の門出とも謂うべき伐採の時期が、何故肝心なのかについて想像を巡らせてみるのも、案外贅沢な時間の過ごし方かもしれません。

最後に、IBDの機関誌『世界の海援隊』に一年間続けてきた「おもしろ雑感」こと「空海の夢」も無事終わりました。そして、一年近く続いた本スレッド【空海の夢】も役目を終えたような気が致します。来月には新しいシリーズとして、「近代日本とフルベッキ」をスタートしますが、そのころにでも本スレッドを過去倉庫に格納しようと考えています。

一年間、有り難うございました。


野田拝

50 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/07/14(水) 15:37
★スレッド【空海の夢】の閉鎖のお知らせ★


予告通り、今からスレッド【空海の夢】を閉鎖します。今後、空海についての投稿は、過日立ち上がった新スレッド【若き日の修験者・空海のコスモロジーと錬金術】でお願い致します。

尚、「おもしろ雑感…日本人への新提言」の新シリーズとして「近代日本とフルベッキ」をスタートしました。後に新スレッド【近代日本とフルベッキ】を立ち上げ、新シリーズについてご案内致します。「近代日本とフルベッキ」を一読した本掲示板の皆様から、多くの意見なり感想を投稿していただければ幸いです。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/

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