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ロスト・サムライ
1 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/02/28(土) 23:13
いよいよアカデミー賞の発表が迫ってきた。駄作『パールハーバー』よりちょっとはましな
ハリウッド映画『ラスト・サムライ』のカツモト
役がノミネートされたが、彼は受賞までこぎつけるのか。準主役の日本人俳優の主演した
映画『たそがれせいべい』もなぜか外国映画部門でノミネートされている。
米国の対日ソフト戦略の一環と見るが、続きはアカデミー賞の結果発表後。
米国の藤原博士、どう思われますか。

2 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2004/02/29(日) 14:39
最近、映画界はどこか歴史ブームのようでもうじき日本では神話の「トロイ」や「アーサー王」「など歴史を背景にした作品が多いですね。私も昨日「マスターアンドコマンダー」を見て参りました。「クラディエーター」や「ビューティフル・マインド」主演のR・クロウですが思ったほど面白くなかったです。ナポレオン時代の英国海軍の士官の卵たちが戦場で実戦を通じて成長していく有様を描かれていましたがよくあるパターンの映画にも思えました。

また「ラストサムライ」ですが私はあの映画は昔ネイティブ・アメリカンの視点から捉えたダニエル・デイ ルイス主演「ラストオブモヒカン」の侍版に感じましたが。でも映像は美しかったですね。

3 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/03/04(木) 07:15
私も、素直によい映画に感動するのは嫌いではない。(女性がひとりも出てこない)「アラビアのローレンス」では“他人の泉の水を無断で飲むべからず”(水と石油の違いはあるが湾岸戦争のときイラクは自分たちの油田が盗掘にあった、と主張した)という砂漠の厳しさを知り(オトゥールの演技にジョンブルのしたたかさと悲哀も見たが)「ニューシネマパラダイス」は少なくとも10回は観て、観るたびに新たな感動と発見があった。幼い頃は「サウンド・オブ・ミュージック」を観て英語の歌を覚えてしまった。ローマに行った時は、観光名所である 真実の口(?)で 手首をなくした(?)グレゴリーペックに悲鳴をあげてすがりつくオードリーヘップバーン「ローマの休日」を思い出していた。

しかしこれからしばらくは、あえてへそ曲がりの視点から映画を観てみることにしたい。

最近知ったのだが、チャールトン・ヘストン主演の「猿の惑星」の原作者でフランス人のPierre Boulleは、戦争前に東南アジアでアジア人を召使に使った大規模なゴム農園を経営していたそうだが、太平洋戦争の時に日本軍の捕虜となり、有色人種の日本兵から数々の屈辱的な仕打ちを受けたらしい。そのときの経験が忘れられず(うらみに思い?)、悪逆非道な日本兵を猿に見立て、La planete des singes(猿の惑星)を書いたとのことだ。これは想像だが、『映画「猿の惑星」、日本で大ヒット!!』の報を聞いて、往年のブールは密かに大笑いしたかもしれない・・・猿が猿芝居観て・・・と(つまらなくてすみません)。

とりとめもなく続けるけど、確か1980年代後半?だったか、ブルース・ウィリス主演の映画「ダイハード(第一作)」を観た後、とんでもない洗脳映画を見せられたと思った。映画では、ロスのダウンタウンに建つ日本企業(映画の中ではNAKATOMI CORPORATION)の所有する超高層ビルを舞台に、ドイツ人とアラブ人の国際テロリスト達を相手に白人の無鉄砲刑事(ウィリス)が人のよさそうな(白人の脅威とならない)黒人の警官と組んで派手にビルをぶっ壊しながら(日本企業所有だからどうでもいいか・・・)テロリストをやっつける、という筋書きだった。ドイツ語とアラブ語なまりの怪しげな英語をあやつり、法外な身代金を要求するテロリストたち。ビルの中で彼らにたった一人で立ち向かう刑事。
おいおい、外人やテロリストは何もドイツ人やアラブ人だけじゃないだろ。しかもちゃっかり白人と黒人の国内宥和政策まで推進してくれちゃって。いくら白黒はっきりさせるお国柄だからって・・・(面白くないですね、すみません)。

最近では、「パールハーバー」。出撃前の日本兵が、くにに宛てて最後の(?)手紙を出す場面で、兵士の背景には、ろうそくの炎と線香の煙に怪しげにゆらめく(太った?)BUDDAの置物。キリスト教徒からすれば、いかにも異教徒ちっくな情景に違いない。同じ宗教という視点からはSF「ブレードランナー」のりドリー・スコット監督作品「Gladiator」も興味深い。キリスト教を熱心に説いてくる(たいていは人の良い)アメリカ人に(ちょっとあほなことはわかっているけど)キリスト教以前の世界はどうだったのか?キリスト教以前の人間は、みな地獄に行くとでもいうのか?と聞くことにしているが、映画の中で
ラッセルクロウ扮する主人公が家族を模した小さな彫像を握り締めて祈るシーン等、キリスト教以前の世界を描いていて、面白い。

4 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/03/04(木) 12:13
2004年のアカデミー賞11部門を獲得したロードオブ〜は、大劇場の大画面で観た。非常に疲れた。あの、なんといったっけ、小さな怪物(ハリポタにも似たような=ホビット?が出てくる)はほとんどCGだと思うけど、あの、奇妙な弱弱しい微笑みを浮かべた表情や、憎憎しい表情の大写しは はっきり言ってかなり気持ち悪い。脳がある種の「無限ハードディスクレコーダー」であるとすると(むちゃくちゃな例えですみません)なんだかあの怪物に密かに心の中(無意識)に入り込まれたような気がする。子供が観たら、その子の心の中に入り込んで、いっしょに成長したりして(笑)。それと、これも感情レベルの話で恐縮なのだが、どうも、ある種の白人、西欧文明優越主義が根底にあるような気がしてならない。1960年代から始まった人気SFテレビ番組(映画にもなっている)「スタートレック」等は、白人の船長、黒人の通信士、日系の操舵士、ロシア系の下士官、アイリッシュ系の技術屋、南部白人の医者、果てはバルカン星人の科学仕官(笑)など、国連ならぬ「宇宙連」の感がある。あれとは正反対な感じだ。小さな怪物が居て、主人公たちがこびとではあるが、善玉の側はほとんど白亜の居城に住む美男美女の白人で、悪玉は奇妙な姿をした怪物の集団として描かれている(単純ではある)。建前とは異なり、米国は人間の表面的な美醜やサイズに非常にこだわるお国柄だと思うが、この映画はそのような価値観にぴったりではないか。何回か観れば、その辺のもやもやがよりはっきりしてくると思う(体力が続くのか?)そのような映画に11部門に渡って延々と賞を贈呈していくアカデミー賞自体、非常に閉鎖的で内向きな催しであるように思えた(プロの芸人であるビリークリスタルやロビンウィリアムズの司会は面白いけど)。

5 名前: ナニワのだるま 投稿日: 2004/03/04(木) 16:31
美蘭陀欧太郎という名からして貴殿はおそらく現在欧州に住み、蘭という字からオランダ在住なのかどうかは知りませんが、私の知っている方は独逸国にて仕事をなされているのでその人物がこの掲示板をご覧になっていると仮定し、欧州の映画祭を少し紹介しておきたいと思いますので、時間があれば行かれてみては如何かな・・・そしてハリウッドの映画とは違う視点から制作サイドのミランダを見抜いてください。

それではアトランダムに参りましょう。

3月
ブリュッセル国際ファンタジー・スリラー・SF映画祭 ベルギー/ブリュッセル http://www.bifff.org/
「猿の惑星のコメント有難う御座います。私も原作はおそらくそのようなものだと思っていましたがフランス人とはね。米国人だと信じてました。」

4月
ドレスデン映画祭http://www.filmfest-dresden.de/

ヨーロピアン・メディアアートフェスティバル ドイツ・オスナブリュク
http://www.emaf.de/


5月
ミュンヘン国際ドキュメンタリー映画祭http://www.dokfestival-muenchen.de/

6 名前: 田中 富士夫 投稿日: 2004/03/08(月) 08:17
前の方はこれからの映画祭のサイトをご紹介くださいましたが、私は2月に仕事の関係でベルリン映画祭に行きました。そこでドイツの映画関係者が言っていたのですが、戦前のドイツ映画には、多くの銀幕のスターが居て、ドイツ人も娯楽としての映画を本当に楽しめたのだそうです。数々のスターも居て、人気を博していました。でも、ドイツにおける映画の位置づけを根本から変えてしまったのが、ナチスだったそうです。先ごろ高齢で亡くなったレニー・リーフェンシュタールは、1936年のベルリンオリンピックの記録映画などで有名ですが、無名の彼女を拾い上げて、その才能の開花に一役買ったのは、宣伝大臣のゲッペルスでした。同じく御用建築家のアルベルト・シュペーアと協力しながら、彼女はそれまで知られていなかった大胆且つ斬新な技法で映画制作に新風を起こしました。ヒットラーは、映画やラジオなどメディアの持つ力を最大限政治的に利用したある種の天才でしたが、彼のおかげで戦後のドイツ映画は永らくスターを生み出し得なかったようです。

7 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/03/09(火) 12:53
田中さんレスありがとう。ナチスドイツの体制下からは多くの非キリスト教徒が米国に移住し、当時東部エスタブリッシュメントに対抗してその地盤を築きつつあったハリウッドに流れ込んだが ナニワのだるまさんとあわせて米国から欧州に話の舞台を移していただいたので、しばらく米国と欧州の間を行きつ戻りつしながら間にアジアも織り込んで続けたいと思う。
ベルリンオリンピックから1年後の1937年には、日独伊3国防共協定が結ばれているが、この年には日中戦争が勃発しており、また満州国の経営を支える重要な国策遂行機関として、満州映画協会が設立されている。軍事(関東軍)、経済(主に鉄道経営)=ハードなツールに加え、植民地支配の重要(ソフト)なツールとして、映画や音楽を含む文化全般が重要視されたことは興味深い。1939年にはチャップリンの『独裁者』が公開されたが、ちょび髭のチャップリンが同じくちょび髭のヒトラーの演説口調を、ドイツの代表的な料理(シュニッツエル(=薄いカツレツ)やザウアークラウト(=キャベツの酢漬け)の名前を連呼したり、英語に似せた(?)口調で『デモクラシー、シュトンク!』『リバティー、シュトンク!』(シュトンクとは、察するに、STINK=臭い=気に入らない、といったような意味を、ドイツ語調にして発音したものと思われる)にして真似ているあたりは、不気味だが実に面白い。同じくこの年に公開された(当時としては超大作にあたる)内向き(?)の作品『風と共に去りぬ』、では、作品中南部白人にひたすら恭順の意を表する黒人の俳優が黒人初のオスカーを受賞しているが(ダイハードの国内宥和政策の先例か(?))、対してチャップリンは非アメリカ活動委員会に呼びつけられ、共産主義と戦うヒトラーを揶揄したことでお咎めを受けた。戦後からは考えられない構図といえないだろうか。

米国と欧州を舞台に繰り広げられた映画のすぐれて政治的な面をオンタイムで知っていたか否かは不明だが、満州では、「満州国の総務部長」甘粕正彦が満映の理事長に就任、李香蘭(本名 山口淑子)などスターを投入し中国人向けの映画が制作されていく。日本人の山口淑子が李香蘭として活躍するパターンは、米国においては欧州を追われた非キリスト教徒がハリウッドにおいてアングロサクソン系の芸名を冠き、映画の中でアングロサクソンの役を本物のアングロサクソン以上にうまくこなしたことにも通じていて、面白い。現在のハリウッドにおいては、その2世、3世が現役の俳優として活躍しているらしい。

8 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/03/15(月) 07:51
さて、いきなりこのスレッドのタイトルの趣旨に戻ることにしよう。

映画の主人公は、騎兵隊員としてインディアン討伐に加わり、武功をたてる。そしてその後は、最新(と思われる)銃の売り込みをしながら暮らす。自分が参加したインディアン討伐を興味深く観衆に伝え、武器の優秀さをアピールする、という仕組みだ。これは、当然、現代の戦争にもあてはまる構図ではないだろうか。

さて、(ここからの詳細は、映画を観た人にしかわからないと思うが、悪しからず。映画をご覧になった方々は、どうか、以下の場面を思い出しながら読んで頂きたい)。

要するに、今回イラクに送ったセルフディフェンスアーミーは、最新鋭のガトリング機関砲に向けて突撃する 映画の中 の 軍隊と同じである。突撃した軍の大将 は、雨あられと降って来る銃弾を浴び 死ぬ。折しも、桜の季節。桜の花びらが舞う中、大将はひとこと、『PERFECT・・・』と発し、死ぬ(昔、日本軍の特攻兵器に桜花、というものがあったように記憶するが・・・)。しかし、アメリカ人は生き残る。

そして、米国勢(と思われる)使節と、やんごとなきお方がやんごとなきお方の居城で交渉中(契約締結間近)に、生き残った満身創痍のアメリカ人が 大将 の 刀を 持って 足を引きずりながら踏み込んでくる。ここが(私に言わせると)映画の山場、クライマックスだ。大将は、どのような最後を遂げたのか。やんごとなきお方は、アメリカ人に質す。彼は平伏しながら、大将の刀を恭しく差し出す。(セルフ〜には刀もない。その刀をもどす=再武装の象徴である)やんごとなきお方に涙がにじむ。そして決然として、しかしかみしめるように、言い放つ。
(以下の台詞は記憶を頼りに書いているので正確ではないと思うが)『われわれは鉄道を敷設し、洋服を着て、(略)・・・しかしそれでも、我々は自分たちがどこから来たかを忘れることはできない。この条約は、我々の(国の)ためにならない。だから、署名しない。』さて、懸命なかたがたならば、この映画の中で言われている条約が、現在の日本に置き換えた場合何をさすか、そして、日本人の無意識何を訴えかけようとしているのか、がおわかりではないだろうか。

そして、もうひとつ。映画の中の日本人女性(侍の妻)は、最初にアメリカ人に夫を殺され、その後は兄を含む一族郎党をほとんど失ってしまう。しかし彼女は、なぞの、エキゾチックな微笑みを湛え、ひたすら夫と子供達に尽くし、甲斐甲斐しく立ち働く。けなげにも耐える、耐える、耐える。そして彼女のもとに、アメリカ人が戻ってくる。日本女性にも人気のある米国人俳優。その相手役の女性に自らをうつして映画に浸る日本の女性達に向けて、どのようなメッセージがこめられているのだろうか。

この映画、数回観てみるとわかるのだが、何度観ても観賞に耐える演技をしているのは、主人公役の米国人俳優と、日本人俳優二名くらいであると思う。後のキャストは、不慣れなせいもあってか演技が浅い。このギャップが、全体的な質を下げているように思える。しかし、肝心のメッセージが込められた部分は、当然主要キャストが演技している。それで、目的は達せられている。

2作品の、アカデミー賞ノミネート。これが、日本で取り上げられた状況。今の日本の現状。
スペインでおきた、大惨事。
作品中の侍大将ではないが、まさに『パーフェクト!』なタイミングではないだろうか。

9 名前: 尾崎清之輔 投稿日: 2004/03/18(木) 00:24
あの2作品は多くの日本映画人の期待虚しく受賞こそ逃したものの、その効果の程が
大きかったことは今更申し上げるまでも無いが、美蘭陀欧太郎さんの解説のおかげで
一つ観る楽しみが出来た。
最近はじっくりと映画を観る機会は余り無くなってしまったが、私も歴史物は好きで
幾つか観てきており、時には特定のテーマに絞った上で纏めて観ることもしていた。
例えば戦争物であれば、同時代の背景を少し異なった視点から捉えるという意味で
「史上最大の作戦」や「パットン大戦車軍団」などを纏めて観るように。
(上記はいずれも「いけいけどんどん」なので例えとしては適切ではないですが)
ちなみに「パットン…」の方はベトナム戦争での米軍の状況が芳しくなかった頃に
アカデミーを7部門も制覇していることから、作品自体の良し悪しは兎も角としても、
間違い無く影響は与えただろうし、ある程度以上の効果も得られたはずだと思う。

戦争物が出たついでに申し上げると、嘗て(…と言っても2年近く前)観た作品に
「バンド・オブ・ブラザース」というTV映画シリーズがあり、これはゴールデン
グローブ賞の最優秀作品賞やエミー賞の各部門にもノミネートされたことから、
アメリカでは有名になった作品だ(日本でもCS放送やDVD等で観ることが出来る)。
この映画では職業軍人ではない主人公たち(第101空挺師団第506パラシュート歩兵
連隊E中隊メンバー)が、米トコア基地での猛訓練を経てノルマンディ降下作戦から
バストーニュでの死闘、そしてベルヒテスガーデンに至るまでのヨーロッパ戦線を
戦い抜いたエリートとして描かれているが、この作品がアメリカでは2001年に
放送されていることから、これも上手いタイミングであったと感じざるを得ない。

さて、先述したように最近は映画は余り観ていないものの、その分は専らクラシック、
オペラ、バレエ鑑賞を楽しみの一つとしており、余りにも有名な作品ではあるが、
この場では「椿姫」を挙げさせて頂く。これは小デュマで知られるアレクサンドル・
デュマ・フィスの「La Dame aux Camilias」を、ヴェルディが「La Traviata」として
オペラ化したもので、小デュマ自身の体験が作品の背景にあったことは良く知られて
いるが、ヴェルディも似たような体験をしていたことについては、お恥ずかしながら
観劇後に知ったことである。
この劇の主人公ヴィオレッタ・ヴァレリーはクルティザンヌであるが、日本語には
この「クルティザンヌ」に該当する良い言葉は見当たらない。「高級娼婦」では
余りにも違和感を覚えてしまう。尚、その昔は「太夫」などの存在があったものの
位置付けは全く異なる。
ヨーロッパにおけるクルティザンヌが果たして日本ではどのように存在しているか、
ということを考えてみると、近年では高級品の輸入業や会員制のクラブ、更には
マナー教室などを主催しているところで暗躍しているケースがあるようだ。
大抵は英語は勿論のこと複数の国の言葉を操ることもあり、それなりの高等教育も
受けていると思われるため、様々な場で重宝されていることから、その場を生かした
更なるネットワーク作りにも勤しんでいるようだ。
オペラ「La Traviata」に出てくるクルティザンのヴィオレッタ・ヴァレリーは、
優しい心と愛のために自己犠牲も惜しまない精神の持ち主として描かれているが、
2世3世代議士や有力財界人との共有を通じて跋扈している日本のクルティザンヌは、
その微笑とは裏腹に何かの間者と化してないかどうか、趣味の範疇に属することまで
とやかく言うつもりは無いが、その件については気掛かりである。

話を少し元に戻すと、今年のアカデミーは指輪シリーズの一つが11部門を制すという
快挙を遂げたが、嘗ての独裁者がこよなく愛した「指輪」と、この度の「指輪」を
いずれ見る機会があった際には纏めて見比べた上、またこの場を借りて述べてみたい。

10 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/03/18(木) 07:36
尾崎清之輔さん
書き込みありがとうございました。頑張って駄文を書き連ねてきた甲斐が(ちょっとは)
あった。
今後もよろしくお願いします。取り急ぎ。

11 名前: 藤原肇 投稿日: 2004/03/20(土) 10:47
かつて十代に文学少年だったせいでしょうが、日本に近代文学と呼ぶに値するみのは、夏目漱石と森鴎外を除くと他に余りないと考え、こんな偏見に支配されているせいもあって、私は娯楽に属す小説の世界からは遠い存在でした。
映画も同じエンターテーメントの世界ですが、時には強烈なメッセージを伝えてくれるので、仕事の息抜きに見てリクリエーションに使い、時たまですが発想や構成に将来の断片を読み取り、なるほどと感心したりするので月に二本位は見ます。
日本でこの映画の議論が賑やかだったせいもあり、明治初期の侍一揆とアフガン反乱を較べてみたら、どんなメッセージがあるだろうかという好奇心で、この「ラスト・サムライ」を二度ほど見ましたが、メッセージらしいものを私は受けませんでした。
また、美蘭陀さんが絶えに耐えた女性と指摘した存在も、私には「明治は遠くなりにけり」という感じがして、家に戻ってからギュスターブ・ドレが挿画を描いた、「ドン・キホーテ物語」〔教養文庫〕の挿絵を眺めることで、やっと息苦しい気分から抜け出せました。
それにしても、死の商人のアメリカから武器を買い付けて、日本の伝統主義者を殺戮しまくった政治家が、敬愛する大村益次郎と同名だったのは残念です。ドン・キホーテを描くにはセルバンテスの知性と、歴史を見つめるシニカルな目が必要かも知れません。

12 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/04/07(水) 08:51
御無沙汰しております。
イエス・キリストが磔刑に処せられるまでの24時間を題材にしたメル・ギブソンの「パッション」が欧州で色々な意味で話題になっているので、近いうちにレポートしたいと思います。

13 名前: 美蘭陀欧太郎 投稿日: 2004/04/14(水) 06:39
ご無沙汰しております。イラク邦人人質事件が日本および世界をにぎわせております。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/news/20040413k0000e040062000c.html

上記ニュース、および本スレッド#8をあわせてご覧頂ければと思います。
着々と布陣がなされているように思いました。

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