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第13回・脱藩道場総会「横井小楠」
1 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/10/04(月) 07:38
最近、漸く秋めいてきた今日このごろですが、毎年春と秋に脱藩道場の総会に出席されている参加者の皆さんも、そろそろ夏ばてから回復してきた時期かと思います。そこで、次回の総会のテーマを決め、取り組んでいくのに時期的に今が良いだろうと思い、次回の総会のテーマについて提起させていただくことにしました。その肝心なテーマですが、前回の海原波彦さんが取り上げてくれた「日本の危機」を引き継ぐ形で、今回のテーマとして「横井小楠」で如何でしょうか。ご存じのとおり、横井小楠は幕末・明治を代表する「堯舜孔子の道」を根底に置いた思想家(政治家)であり、フルベッキや『海国図志』を通じて西洋文明への理解も極めて優れていたことはご存じの通りです。これから襲来するであろう日本の危機を乗り越えるにあたり、横井小楠の思想をどのように活用できるのか、横井小楠の思想から何を学べるのか、とった観点で纏めていただきたいと思います。無論、それだけでなくて、横井小楠について語り合っていくうちに思わぬ発見をするかもしれません。取り敢えず、今月の下旬か来月の上旬あたりに予定している第13回・脱藩道場総会に参加を希望する人に対しては、以下を条件にしたいと思いますが如何でしょうか。会場が手狭なこともあり、予定では7〜8名で参加者の募集を締め切らせていただく予定ですので、宿題などを課することで参加者を絞りたいと思います。宜しくご協力のほどお願い申し上げます。

・テーマ名:横井小楠
・文字数:800〜1200文字
・提出期限:10月29日の昼(午後12時)
・送付先:dappan2004a@infoseek.to
※初めて参加される方は、氏名・住所・電話番号を明記のこと
※テキストですが、以下のいずれかあるいは両方を予定しています。
『横井小楠と道徳哲学』(山崎益吉著 高文堂出版社刊)
『横井小楠 儒学的正義とは何か』(松浦玲著 朝日選書)
※ペンネームで投稿していただいて結構です。


以上、参加を希望する方は最初に論文を本掲示板のこのスレッドにアップした後、メールで参加希望の旨お知らせください。折り返し、当日の会場の場所などについてメールでお知らせ致します。

なお、横井小楠以外のテーマを希望される方は、別テーマへの変更も歓迎致しますので、遠慮なく本スレッドに投稿してください。以上、宜しくお願い致します。

2 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/10/04(月) 07:56
先ほどテキスト候補として二冊取り上げましたが、両書ともクロネコヤマトのブックサービス入手可能です。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://market.bookservice.co.jp/top/index.html

また、『横井小楠と道徳哲学』(山崎益吉著 高文堂出版社刊)の場合、著者本人の関連した論文が公開されていますので、一度目を通すと良いでしょう。
『横井小楠と道徳哲学 ―A.スミスとの比較において―』(山崎益吉著)
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/link.cgi?url=http://www1.tcue.ac.jp/home1/k-gakkai/ronsyuu/ronsyuukeisai/45_2/yamazaki.PDF

3 名前: 山中良夫 投稿日: 2004/10/08(金) 18:39
前に「ジャパン・レボリューション」が出版になった時の総会では、本の前書にあったミランダという言葉をキーワードに使い、ミランダとクレデンダを議題に取り上げて論じたことで、とても意義のある議論が行われた事からして、せっかく「賢者のネジ」が出版されているのだから、そこからテーマを見つけたら良いのではないかと思います。

4 名前: 亀山信夫 投稿日: 2004/10/09(土) 15:32
山中さんの意見に賛成です。小生は宇宙巡礼書店の店主も兼ねていますので、『賢者のネジ』を叩き台に今秋の総会を進めてもらえれば有り難く思います。総会への参加を希望される方は投稿をお願いします。


ホームページ【宇宙巡礼】管理人・亀山信夫

5 名前: 藤原肇 投稿日: 2004/10/10(日) 07:05
「広場」の「脱藩道場総会の資料」に手が加わったことにより、これまでの低俗で筋違いな本の記事の紹介が取り外され、第11回の総会の資料が「国旗とミランダ」に置き換えられて、あの時に討論したことの内容がより正確に記録されたことは、遅ればせとは言えとてもいい改善になりました。
過去の総会のやり方を参考にしながら問題を絞っていき、第13回の議論がより充実したものとなり、どんどんと盛り上がっていくようにと期待してやみません。

6 名前: 尾崎清之輔 投稿日: 2004/10/21(木) 00:41
今秋の脱藩総会のテーマとして野田さんからご提案のあった「横井小楠」と、
山中さんより『賢者のネジ』からテーマを見つけて議論を進めていくという
ご意見の両方に賛成します。
藤原ブッククラスターの皆様でしたら既にお気付きのこととは思いますが、
御二方からのご提案は根本的なところで深く結びついていると考えており、
前著『ジャパンレボリューション』の第一章『日本再生のガイドライン』の
「40歳を過ぎたら人類のために」では「私は幕末の佐久間象山や横井小楠を
敬愛し、」という先哲の方々への敬意を込めた一文があり、それがこの章、
延いては、この著書の最大テーマの一つ「社会への恩返し」に繋がっていき、
そのためのスレッドがここの場に用意されていることは皆様周知の通りです。
また『賢者のネジ』ではその第六章『近代日本の基盤としての「フルベッキ
山脈」』において

■私は日本人では佐久間象山と横井小楠を敬愛していますが、横井小楠の場合は
 富国強兵だけでなく、それに士道を加えた三本柱で考えており、「国是三論」
 の思想を構成しているからすごい。

という文章を見つけることが出来ますが、これは先述のテーマにも繋がりつつ、
真の意味での人材育成や経世済民の理念を修得して、実際に我々が生きる現実の
様々な場における実践の論理と道筋を作り上げていくための、またと無い機会で
あると感じることからにもよります。
そのための重要なキーワードの一つに「横井小楠」があると考えており、
横文字には弱かったという横井小楠ですが、小生の場合は横文字は勿論のこと、
実は縦文字にも半端であったということを充分思い知らされつつ、野田さんより
ご紹介のあったテキストを読んでいるところです。

7 名前: 亀山信夫 投稿日: 2004/10/21(木) 03:32
野田さんと山中さんから提案があり、さらには藤原博士から今回の総会を期待してる旨の投稿が10日前にあったのにもかかわらず、脱藩道場総会に参加している常連の人達は無論のこと、誰一人として藤原博士の期待に対して投稿した人は居ませんでした。その時に小生が感じたのは、小生が毎回皆さんに呼び掛けて、総会を春と秋に開催するのは当たり前という空気が作られつつあるなということです。そうした中で、漸くにして尾崎さんから積極的な投稿があり、また私信ではあるものの、小生宛に「総会の開催日時はいつですか」という問い合わせも偶然ですが昨夜届いています。

ともあれ、藤原博士が仰せのように、『賢者のネジ』を叩き台にしたテーマが皆さんの中から出てくるのを待っていたところです。皆さんからテーマが幾つか出てある程度意見・情報交換が行われた後、800〜1200文字に論文形式でまとめていただき、掲示板に参加者全員が発表したら、初めて総会の場所・日時を決めていきたいと思います。それまでは総会の場所を確保したり、日時を決めたりといった、積極的な動きを小生の方からとるつもりはありません。よって、日時的に間に合わないことから、今回の総会はお流れとなり、次回(来春)になる可能性もあることを予めご承知おき願います。


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8 名前: 尾崎清之輔 投稿日: 2004/10/22(金) 01:29
先の脱藩総会のテーマは「日本の危機」であり、その際に藤原さんから頂いた
重要な一言が「理念が存在しないことが最大の危機」ということについては、
「日本の危機」スレッドにも書いた通りであるが、そのテーマを引き継ぐ形で、
野田さんからご提案のあった「横井小楠」というテーマが、正しくその理念の
雛形となることは「横井小楠と道徳哲学」を読み始めてすぐに気が付いた。
まだ第四章に入ったばかりではあるが、この著書では、横井小楠とアダム・
スミスとを対比させることで互いの「道徳哲学」を同一次元に展開しており、
小楠の理論の全体像を現代的な視点で整理しつつ、更にはその思想を現代
社会に対する警鐘として、見事なフィードバックを行っていると感じる。
グローバル社会において市場主義経済や経済的合理性のみが追求された結果、
日本のみならず世界中で様々な歪みが発生していることは申し上げるまでも
無く、「賢者のネジ」においては小島さんとの対談や彭さんとの対談などに、
それらに対する日本の危機の多くが見受けられ、更に我々が今後どのように
実践の論理にまで高めていくかという重要なヒントを与えていると思われる。
別のスレッドにて紹介した「21世紀の戦争」においては、その著者である
イグナシオ・ラモネ氏が戦争の形態が国家間から大きく変貌を遂げている
ことを述べているが、それ以上の重要なテーマとして、ヘゲモニーが国家
から、更に大きなネットワークとしての、表面上は国家に属した諜報機関、
制度上は国家間での約束事で成立している様々な機関、そして国という
次元をとっくの昔に超えている金融資本などに変わり、それらが強力な国際
寡占体制を築き上げたことで、超自由主義ががんじがらめのパッケージへと
縛られつつあることを憂い、「ふたたびいま一度、思考する夢想家や夢想
する思考家」の必要性を訴え、地球の住人すべてに富・財の還元を行うべき
との考えから、社会的生産力は過去の世代によって蓄積された全ての知的
成果であり、それらを後世に受け継いでいくための公正な分配が必要である
と述べている。
そのような中で、幕末に生きた一人の偉大な思想家の理念を学ぶことは、
我々の心に回天軸のための大きな力となって蓄えられるに違いないであろう。

尚、蛇足ではあるが小生の先の書き込みの「横文字と縦文字が半端」とは、
「横文字=国富論」「縦文字=国是三論・富国論」のメタファーである。

9 名前: 尾崎清之輔 投稿日: 2004/10/22(金) 01:33
ところで話は少し横道にそれるが、横井小楠も私塾を立ち上げており、その
門下生の一人が徳富蘇峰であったことは、「賢者のネジ」で藤原さんと
小島さんから痛烈な批判を浴びせられているという意味で注目しており、
出藍の誉れの逆になったことで、真の人材育成の意味を考えるための一つの
材料になるのではないかとも思われる。

10 名前: 尾崎清之輔 投稿日: 2004/10/23(土) 02:30
うろ覚えで書くと時に思わぬ間違いをしてしまうが、上記の小楠の門下生は
徳富蘇峰ではなく父の一敬であり、一敬よりその思想が伝えられている。
しかしながら、蘇峰は「賢者のネジ」でも藤原さんが述べられているように
日清戦争の頃を契機としておかしな方向へと進んだ変節漢と化してしまった。
これはまるで「長い間、水に浸かっていても、中は乾いている小石」の如く、
小楠の思想を自らの確固たる理念に形成出来なかった悪い見本である。

11 名前: 田之倉凛輔 投稿日: 2004/10/26(火) 06:13
亀山さん、道場の世話人としてのご苦労と、今までの配慮に感謝します。

博士来日は大変貴重な機会であり、脱藩道場の開催をこころから望むひとりとして申し上げるならば、もし各自が、期日までに論文を書き上げるまでに至らないとすれば、せめて『賢者のネジ』をテキストとして精読し、少なくともひとつの章について解説が行えるくらいの準備をして、滴塾でいうところの会読を道場で行う、ということにしてはいかがでしょうか。
最低でも、本を読みながら、感想を書き込んで、道場に持参することくらいはできるのではありませんか。会のスタンダードが下がってしまうのは残念至極ですが、それでも集まらないよりはまし、と思う私は甘いのでしょうか。なお私としては、誠に勝手ながら、例の不思議なTシャツの送り主であり、賢者のネジの編集・出版人でいらっしゃる玉井社長の出席を切望します。

道場レギュラーメンバーの皆様、実現に向けて、躊躇することなく、意見を述べてください。新たな“縁”を育む可能性を秘めた『場』がなくなってしまえば、終わりだぜ。

第一章 世界の一流ホテルの条件と発展するホテル文化     

第二章 地球(ガイア)の恵みと生命力の根源    

第三章 高等教育と世界を舞台に活躍する人材の育て方
     
第四章 低迷日本の悲劇とアジア経済の活    


第五章 明るい社会を築く不老長生の秘訣
     

第六章 近代日本の基盤としての「フルベッキ山脈」
     
第七章 迷走する日本の高等教育と技術立国を損なう状況
     
第八章 大杉栄と甘粕正彦を巡る不思議な因縁
     第九章 明るい未来社会の建設と経済至上主義の克服

12 名前: 田之倉凛輔 投稿日: 2004/10/26(火) 06:18
言い忘れました。上記に関連して、道場において最低でも、『自分の(オリジナルな)意見をきちんと述べる。』これでも、いいのでは?

13 名前: 亀山信夫 投稿日: 2004/10/26(火) 14:26
田之倉さん、投稿有り難うございます。

別に金輪際総会はやらないということではないのでして、今回はもう間に合わないし、また来春でもいいではないですか。半年有れば『賢者のネジ』を巡ってテーマを幾つか割り出し、その中から1〜2テーマに絞り、絞ったテーマをもとに情報・意見交換を行い、最終的に総会の参加希望者に論文をまとめてもらい、本掲示板に公開すればいいのです。ともあれ今回はたまたま第13回目の脱藩道場総会になるはずでしたが、『石油と金の魔術』と同様の運命を辿ることになりましたね。来春は第14回と呼称します。

玉井社長の参加ですか…、あまり気が進みません。


ホームページ【宇宙巡礼】管理人・亀山信夫

14 名前: 西條謙太郎 投稿日: 2004/10/29(金) 01:06
 小楠について学ぶほどに、真の経世済民の理念を求めることを怠り、
現実を映す鑑をくもらせ、湯武放伐も忘れはてて、野暮用に追われて堕落
している自分の姿と自らの勉強不足を思い知らされ、せっかく野田さん
に提案していただいたテーマについて筆が進まなくなりました。
来春までに体勢を立て直して臨みたいと思います。
よろしくお願いします。

15 名前: 尾崎清之輔 投稿日: 2004/10/30(土) 22:09
第13回という数字に問題があったかどうかは兎も角として、
亀山さんの投稿にもございますように、この数字に1つ足せば
14になりますから、この際、心機一転で望むことにしましょう。

いずれにしても事前の準備不足ということもあって、小生も含めて
なかなか筆が進まなかったことは率直に反省して、半年も時間を
頂いたのですから、これを良い機会と受け止めて「賢者のネジ」を
ベースに深堀りをしていきませんか?
今までは1ヶ月ほど前に漸くテーマが決まって進めてきましたが、
次回からは、この半年という期間がおそらく「ミランダ」の時以上に
盛り上がりを見せるのではないかと思います。

そういうわけで14回に向けて新しくスレッドを立てることにします。

16 名前: 野田隼人 投稿日: 2004/10/31(日) 16:40
尾崎さん、田之倉さん、西條さん、有り難うございました。結局第13回・脱藩道場総会は中止となりますが、藤原銀次郎(藤原肇博士弟)さんが中心となって進めて頂いている脱藩クラブは予定通り来月の11月中旬に行われますので、今年中に藤原肇博士や藤原銀次郎氏と意見を交わしてみたい方は積極的に脱藩クラブご参加ください。ざっくばらんな集いですので、初めての人でもきっと気に入っていただけると思います。具体的な日時等が判明次第ご連絡致します。

来春に行われる第14回の脱藩道場総会は半年の時間があるとは云え、油断すると直ぐに3月になってしまうかもしれません。来春参加を予定している人は、尾崎さんが立ち上げてくれた「第14回の脱藩道場総会に向けて」で半年の間積極的に発言して欲しいものです。次回も中止というとにならないように皆さんの頑張りに期待します。なを、明日から11月と区切りが良いので、本スレッドは過去ログ倉庫に格納します。宜しくお願い致します。

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